アキレス腱と足裏をケア 「アーチ」を保ち歩ける足にいつまでも歩けるための健足術(4)

日経ヘルス

2019/8/19

 「アキレス腱が柔らかいと、歩行で、足首を中心に回転するとき、すねの骨が前に傾き、アーチを保持したまま歩けます。しかしアキレス腱が硬く、すねの骨が十分に前に倒れないと、アーチをつぶすことで、回転させるという動きが起きてしまいます。そうならないようにするためには、アキレス腱が硬くならないよう普段からアキレス腱ストレッチをすることです」(菊池さん)。

(イラスト:内山弘隆)

 かかとからふくらはぎをつなぐアキレス腱をゆっくり伸ばそう。柔軟な足首は、足底筋膜への負担も軽減する。そして「足裏マッサージ」で足底筋膜を伸ばそう。「足裏を十分に反らせて、そこをマッサージしてください」と、菊池さんはアドバイスする。

オーダーメードの靴の中敷きでアーチを矯正

 それでも足に痛みを感じたり、アーチの崩れが不安なときは早めに対処することだ。下北沢病院ではアーチのアンバランスによって生じるさまざまな症状に対して「インソール」を作り、アーチの矯正をする。

 「その人の足に合った、オーダーメードの硬いインソールを足専門の装具士に作ってもらいます。アーチやアライメント(骨格の配列)はインソールで矯正するというのは米国の足病学(ポダイアトリー)では当たり前のことです。矯正の余地がある状態ならば、すぐに手術ということではなく、本来あるべきコンディションに“誘導”をするのです」(菊池さん)。

 人生100年時代、足は長く付き合っていくもの。たとえ小さな不調でも、見逃さないことが大切だ。

 「がまんを重ねていて、ある日一気に状態が悪化するというのが一番危険です。足のトラブルに対しては、何よりも早く行動することが大事なのです」。

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(写真提供:下北沢病院)

硬めのインソールを薦める

 アーチの矯正のために、下北沢病院では柔らかいものではなく、硬性のインソールをオーダーメードで作るという。これは米国のポダイアトリー流。また、「扁平足は手術ではなくインソールで補正していくのが、ポダイアトリーの基本的な考え方です」と菊池さんは話す。

菊池恭太さん
下北沢病院(東京都世田谷区)足病総合センター センター長。北里大学医学部卒業後、北里大学病院整形外科助教に。その後、横浜総合病院整形外科医長、同院創傷ケアセンターなどを経て現職。日本整形外科学会整形外科専門医。身体障害者福祉法指定医。日本足の外科学会会員。日本下肢救済・足病学会評議員。

(ライター:赤根千鶴子、構成:日経ヘルス 白澤淳子)

[日経ヘルス2019年6月号の記事を再構成]