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健やかに歩き続ける基本 足の3つのアーチを崩さない いつまでも歩けるための健足術(3)

日経ヘルス

2019/8/12

写真はイメージ=PIXTA
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ヒトの足には「内側の縦アーチ」「外側の縦アーチ」「横アーチ」という3つのアーチがある。自分の足を健康に保つための「健足術」の連載3回目は、これらのアーチが歩くときにどんな役割を果たしているのかを中心に解説する。

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足を専門的・総合的に治療する下北沢病院。同院の足病総合センター長の菊池恭太さんは整形外科医として、かつて糖尿病患者の足の切断を目の当たりにしてきたという。そんな深刻な事態を未然に防ぎたいと、菊池さんは米国の足病学(ポダイアトリー)を学び、その考えを生かし、診察にあたっている。

健やかな足を保つにはどんなことに気をつければいいのか。菊池さんが強調するのが「足のアーチを崩さないこと」だ。

■立つためでなく「歩く」ための足

(イラスト:内山弘隆)

ヒトの足には3つのアーチがある。かかとと親指の付け根を結ぶ「内側の縦アーチ」、かかとと小指の付け根を結ぶ「外側の縦アーチ」、そして指の付け根を結ぶ「横アーチ」だ。ヒトの足は、このようなアーチ構造を持つことで全身の体重を支え、着地時の衝撃を受け止めている。

(イラスト:内山弘隆)

一方、チンパンジーの足は、ヒトの手に近い形態になっている。これを「母趾対向性(ぼしたいこうせい)」という。つまり、親指(母趾)が他の四指と離れ、親指と四指の腹が向かい合わせられる配置となっている。そのため、足で木の枝などにつかまるのに適している。

しかし、「チンパンジーの足は、アーチがないので、長く歩くのには適していない。アーチがあるからこそ、ヒトは長く歩けるようになったのです」と菊池さんは話す。

アーチの存在は古く、360万年前のタンザニア・ラエトリ遺跡で見つかったアファール猿人の足跡の化石には、すでにアーチがあった痕跡が見られるという。人類がこのころから二足歩行していた証しとされる。

「樹上生活や、足で何かをつかむという機能を一切捨てて、平地を歩くということだけに特化していった結果、母趾対向性をなくし、ヒトの足にはアーチが形成されていったのでしょう」(菊池さん)。

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