レノボ・ジャパンは7月19日から、グーグルアシスタントを搭載したスマートディスプレー製品を2種類販売した。

一つは「Smart Display M10」(2万4624円)。10.1インチディスプレーを備えたスマートディスプレーで、Google Nest Hubとほぼ同じ機能を備えている。本家よりもちょっとサイズが大きいバージョン、といってもいい。

レノボ・ジャパンの「Smart Display M10」

もう一つは「Smart Clock」。機能は限定されておりYouTubeなどの動画再生には対応していないが、ネット検索や家電のコントロールはできる。音声アシスタントは、他と同じグーグルアシスタントだ。

レノボ・ジャパンの「Smart Clock」

一番の違いは、その名前の通り「賢い時計」であることに特化していることだ。時計が常時表示されるのはもちろん、グーグルアシスタントの持つ「ルーティン機能」を利用し、1つのコマンドで複数の操作ができる。例えば、「おはよう」といえば、その日の天気やスケジュール、ニュースを教えてくれる。ホワイトノイズを再生し、快適な眠りへと誘う機能もある。

そして、サイズが小さくて安い。ディスプレーは4インチでEcho Show 5よりさらに小さく、価格も9828円と、グーグル陣営のスマートディスプレーの中ではもっとも安価である。

低価格かつコンパクトなスマートディスプレーは、ベッドサイドでの利用が中心になる。Echo Show 5もそこを狙っているが、レノボはグーグルとのコラボレーションにより、明確にその市場を狙いに来た……といっていいだろう。

米国において、スマートスピーカーは「音楽サービスを気軽かつ安価に使うもの」として人気が出た経緯がある。日本では、サブスクリプション型の音楽サービスはようやく普及しはじめたところで、米国とは違い、スマートスピーカーの起爆剤になっていない。

もしかすると、スマートディスプレーを「賢い目覚まし時計として使う」ことは、日本における音声アシスタント搭載機器の普及のきっかけになるかもしれない。

スマホを目覚ましにしている人に、もっと快適で便利な生活を、しかも安価に提供してくれる機器として、小型スマートディスプレーはわかりやすい良さを備えている。

西田宗千佳
 フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。