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女子大就職、一般職よりスキル欲しい 増えるIT系

女子大就職 強さの秘密(下)

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NIKKEI STYLE

 売り手市場とはいえ、就職率が100%に近いところもある女子大への注目が高まっている。少人数教育ならではの手厚い就職支援やジェンダー教育の歴史などが魅力となり、志願者も増加傾向。共学とはちょっと異なる女子大の強さの背景を探る。

金融や商社の一般職への就職が人気というイメージがある女子大だが、学生の声を聞くと、キャリア形成につながるより実践的なスキルを求めるよう変わってきている。

「もともと金融や商社の一般職を考えていた」という今春日本女子大を卒業した女性は結局、IT企業の総合職に就いた。「当初は思ってもみなかったですが」と笑う。

小学校から大学まで日本女子大で過ごしたという女性。「金融や商社に就職した人を評価するような文化があり、先輩たちもそんな道に進んでいた。ゼミも経済系だったし私もそうなのかなと……」。ところが、女子大生活を送るうちに考えが変わってきた。

女子大はOGとの結びつきが強く、講演会なども頻繁。それだけに、社会や時流の変化を敏感に察知できる環境だ。さらに女性は、家族留学を手掛ける団体の活動に参加したり、インターンシップに参加したりして何のために働くのか真剣に考えた。人々のライフスタイルを支える仕事をしたい。現場にも立ちたい――。「事務職では限界がある。総合職を目指そう」と思うようになったという。選んだのは、サービス業を支えることのできるIT業界だった。

入学当初の志望とは随分変わったが、「IT企業はスキルも身につくし、働き方も多様」と満足している。

彼女のように女子大の就職ではこれまでの主流の金融から離れ、他の業種を選ぶ学生が増えている。

東京女子大の森田光則キャリア・センター課長は「金融・保険が産業別就職先で初めて1位ではなくなった」と話す。同大では従来、3割程度が金融・保険業界に就職してきた。それが、2018年度卒は16.4%と3位に下がった。日本女子大の家政学部でも17年度の20.2%から18年度は14.3%に下がり、「初めて金融・保険が1位ではなかった」(学生生活部キャリア支援課の増田一美課長)。

昭和女子大は、16年度卒の就職先でみずほフィナンシャルグループが58人と企業別でトップだったが、18年度卒は7人と急減し、順位も9位に下がった。金融が減った影響もあり、同大の総合職と一般事務職の就職数は17年度卒がほぼ同数だったが、18年度卒は総合職が150人以上多かった。

金融業務統廃合による採用絞り込みの影響

金融業界では近年、メガバンクを中心に支店の統廃合や業務の機械化を進めており、大幅に採用を絞り込んでいる。特に窓口や事務作業を担ってきた一般職の採用を減らす企業が多い。金融業界離れは、多くの学生に共通しているが、長年一般職に流れ込んでいた女子大学生への影響はとりわけ大きい。

さらに、エン・ジャパンで新卒スカウトサイトを手がける近藤翔太さんは「早稲田・慶応・上智の女子学生で転勤を嫌って一般職を志望するケースが目立つ。企業も採用に意欲的で、少ない一般職を巡って女子大などとの競争が激しくなる」と予測する。

ただ、金融一般職の減少により、女子大の学生が望まないまま他の職業に流れているわけではない。学生の意識もかつての女子大=一般職というイメージにとらわれず、幅広い業界や職種の中から自分に合った就職先を選ぶように変わってきた。

目立つのがIT業界への就職だ。東京女子大は情報通信業が18年度卒の20.3%を占め、産業別でトップに躍り出た。

人手不足のIT業界も女性の進出を歓迎している。ITアウトソーシングのトランスコスモスは女性採用に積極的だ。19年入社では、新卒の女性の4人に1人が女子大卒だ。昭和女子大や京都女子大、武庫川女子大など全国から採用している。

IT企業といえば、プログラミングなど専門的なスキルが必要だと思いがちだが、トランスコスモス採用担当の藤田萌さんは「ITといっても業務は幅広く、必ずしも高度なスキルがいるわけではない。インスタグラムやアプリをもっと使いやすくするなど、むしろ消費者目線のアイデアが重要になる」と話す。

ずっと同じ会社に勤める「就社」から専門能力を磨く「就職」へ。この流れは女子大の学生に顕著だ。女子大出身のあるIT企業社員は「将来的な転職を考えても専門的なスキルがあった方が有利だと考えた。IT企業では、ほかの業界に比べて若いうちから経験を積める」と語る。

象徴的なのがSEなどエンジニア職に就く学生の増加だ。東京女子大では18年度の職種別就職先でSEが占める割合は11.3%、日本女子大も8.5%を占めた。昭和女子大の磯野彰彦キャリア支援センター長は「文系でも増えており、学生のスキル志向は高まっている」と話す。企業側も「初心者向け研修を実施しているので、すぐにキャッチアップできる。文系出身で活躍しているSEも多い」(トランスコスモス)と歓迎する。

「就職」志向の中、人気が上昇しているのがコンサルタント業界だ。女子大出身者の就職も増えており、津田塾大の18年度卒では大手のアクセンチュアに7人が進み、企業別で1位だった。お茶の水女子大の学生も同社に加え、マッキンゼー・アンド・カンパニーやPwCコンサルティングなど数多くの企業に就職している。

コンサル会社も女性の採用に積極的だ。アクセンチュアは、ビジネスコンサルタント職のうち、採用の半分が女性だ。堀江章子執行役員は「コンサル業界や会社への理解が進み、女子大も含めて当社に目を向けてくれる人が増えた」と話す。女性社員はこの10年程度で7倍にまで増えた。

女子大との交流も深めており、18年にはお茶の水女子大と女性リーダーの育成に向けて提携を結んだ。交渉力や分析力などを養う実践的な講座を設けるとともに、同社のお茶の水女子大OGと現役学生との交流会も開いている。

女子大ごとの個性が鮮明

ただ、ひとくちに女子大といっても各大学での就職事情はそれぞれの個性が出る。

津田塾大で目を引くのが法律事務所への就職だ。18年度卒は、大手の西村あさひ法律事務所と森・濱田松本法律事務所に各5人と企業別で4位だった。「例年、英語英文学科と国際関係学科の学生の1割程度が法律事務所に進む」(斉藤治人・学生生活課長)。法律事務所といっても、弁護士や法律業務の補佐をするパラリーガルではなく、秘書職が中心だ。OGとのつながりで仕事を知る学生が多いという。

お茶の水女子大は大学院への進学率が高いのが特徴だ。例年、進学率は3~4割程度に及び、全大学平均の1割強と比べると格段に高い。理系の7割前後が進むほか、文系でも2割前後を占める。学生・キャリア支援センターの大風薫准教授は「専門的に学問を学びたいと入学前から進学を明確にしている学生も多い。大学は6年間ととらえ、長期的にキャリアを考えている」と話す。

長年、女子大就活の「受け皿」として機能してきた金融などの一般職の求人は、確かに減った。ハナマルキャリア総合研究所の上田晶美代表は「女子大の就職は、メガバンクなどの一般職で成果を出してきた面もある。一般職削減により、大学によっては大企業への就職人数に陰りが出る可能性もある」と話す。

しかし、女性活躍の社会的な流れもあり、女子大ならではのリーダーシップや専門性を身につけた女子大出身者に、企業は熱い視線を注ぐ。女子大の学生のキャリア選択の幅はさらに広がりそうだ。

(田中裕介)

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