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キャリアの原点

強制転勤なし、11時朝礼 他社巡った後継ぎの職場改革 松山油脂 松山剛己社長(上)

2019/7/23

――転勤がないことによるデメリットはないのでしょうか。

「事業所ごとの融合が生まれにくくなるデメリットはあるでしょう。それを解消するためにジョブローテーションと称し、若い人材や中堅社員を1カ月から3カ月単位で研修として動かし、期間が終わると戻すということをしています。業務効率という点では落ちますが、長い目で見ると会社を強くします」

「働き方の見直しに関連し、それまで午前8時半から開いていた朝礼を『全体会議』と名称を改め、午前11時から開くようにしました。というのも午前8時半からだと、お子さんを保育園や幼稚園へ送ってから出社してくる時短勤務の社員が参加できません。弊社には時短勤務しながらリーダー職をしている社員も複数います。午前11時から始めれば、その人たちが重要なことを聞き漏らさずに済みますから」

――フレックス・コアタイム制度とは。

「月曜から木曜までの勤務可能時間を午前7時半から午後7時半までとし、その間のコアタイムを午前9時半から午後4時半に設定しています。金曜日にはコアタイムがないため、何時に出勤退勤してもかまいません」

「月曜から木曜の間、1日10時間ずつ働いて週の労働時間を40時間にし、金曜は休む、ということもできます。実際に使っている社員たちは、事前に引き継ぎをするなどして休んでも問題が生じないよう、自分たちで都合し合っています。ただし、これが適用できるのは事務職のみで、仕事の性質上、生産部門や出荷部門に関しては適用できていません。そこは今後の課題です」

松山油脂は石鹸やボディソープ、ヘアケア製品など、自然派の自社ブランド製品を手がけている

――人事に関して次々と思い切った施策を打つ原点には何があるのでしょうか。

「私自身が松山油脂に入社する前、博報堂と三菱商事でサラリーマンを経験したことが大きいと思います。自分自身が働き手の立場から『あったらいいな』と思うことを制度化している側面はあります」

「両社を通じて主に4人の部長の下で働きました。私自身は変わらないのに、上司が変わっただけで90%の力を発揮できたと感じた時もあれば、60%の力しか発揮できなかった時もありました。上司・部下の関係で重要だと感じたことの一つは信頼関係です。信頼関係がきちんとあったうえで正しく評価されていると感じることが、力の発揮具合を左右すると思います」

「最も信頼できると感じたのは、人事考課が明確な上司。叱責だけでほめてくれない上司の下では人は頑張れないでしょうし、称賛するだけの上司だったら『この人は短期的に気持ちよくさせて働かせたいだけなのかもしれない』と感じるでしょう。ほめることと叱ること、この基準が明確で筋が通っていることが大事です」

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