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内定者のオヤカク対策に企業懸命 親に手紙、訪問も 今どき親子の就職活動(2)

2019/7/12

親への説明を意識した会社説明パンフレットを作る企業も出始めている
ここ数年、就職活動の現場で当たり前のように飛び交う「オヤカク」(親確)という言葉。内定者の親に企業が入社意向を確認することを指す造語だ。背景を探ると、親子関係の変化や就職に対する価値観の移り変わりなど様々なものが見えてくる。学生が脱皮して社会に出るとはどういうことなのか、一緒に考えてみませんか。

就職活動における売り手(学生)優位が続く中、具体的なオヤカク対策を取っているのは中小規模の企業が目立つ。中小企業にとって、優秀な学生を採用できるチャンスは多くない。オヤカクに正面から向き合うことで、親の反対が原因で内定を辞退される事態を防ごうと懸命だ。

「我々のような大手ではない企業では、昔から親に応援してもらう環境をつくってきました」と話すのは、神奈川県を中心に不動産事業を展開するリスト(横浜市)の総務部課長、福林悠哉さん。

■一人ひとりの親に手紙で採用した思いを伝える

内定を出す際には、なぜリストで働きたいのかを親に必ず伝えるよう促す。さらに、一人ひとりの親に会社から手紙を出す。「会社の現状に加え、なぜお子さんに内定を出したのかを、個別に書きます」(福林さん)

内定を出した学生が前年夏などのインターンに参加していた場合には、インターン中に行うプレゼンの様子を撮影した動画も一緒に送る。「それでもダメという親もいるが、多くは『よろしくお願いします』と言ってもらえる」という。

人材サービスのネオキャリアによる調査では、「内定をもらった新卒生が親の意向によって内定辞退を申し出てきたことがある」との回答は約5割、「親の意向で内定辞退をされないように、内定者の親に対して施策を実行している」は約3割にのぼった。

企業が内定者の親に対して行った施策(ネオキャリア 就職活動における「企業」と「親」に関する調査)

「地方出身者と、在学する大学がGMARCH(学習院、明治、青山、立教、中央、法政)レベル以上の人は、親に反対される率が高い」。就職情報サイト「しゅふJOB」などを展開するビースタイル(東京都新宿区)で採用責任者をつとめる中堂祥音さんはこう分析する。

「リクルーター面接で、学生が親の意向を口にするのは当たり前。女子学生のほうが男子学生よりも親との距離が近いようで、反対されることも多い」(中堂さん)という。実際、今年も地方出身で有名私大在学中の女子学生が母親の反対にあい、同社への内定を保留しているという。

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