女性

マネー

老後の余裕に2000万円ほしい 年金目減りシナリオも 知って得するお金のギモン

日経ウーマン

2019/7/11

■不足する額は人ごとに違う 貯蓄の習慣は絶対に必要

話題の「2000万円」は、総務省の家計調査(2017年)で高齢無職夫婦の毎月の年金収入約20万9000円に対し、支出は約26万4000円で、月5万5000円(年間66万円)の赤字。それが65歳から30年で約2000万円に上るという意味。しかし年金額も、老後の支出額も、何歳まで生きるかも人それぞれなので、一例にすぎません。そもそも「年金だけで余裕ある老後は無理なので貯蓄は必要」とは前から言われており、何か新たな事実が出たわけではないのです。

しかし、安心もできません。公的年金制度は、現在のような少子高齢化を想定しておらず、現役世代が負担する保険料が今の高齢者を支える仕組み。現役世代が減るのに受給者が増えれば、受給できる年金額は少なくなる可能性が高いです。

なかには「公的年金は破綻するから保険料を払いたくない」という人もいますが、国も年金支給額を賃金上昇に応じて抑える「マクロ経済スライド」という、給付額の伸びを抑制する仕組みを導入するなど、制度が破綻しないようにしています。「完全に破綻はしないが、年金額はねんきん定期便で分かる目安額より減る」のが現実的なシナリオです。

「所得代替率」という数字があり、65歳で受給を始めるモデル世帯の年金額が、現役世代の手取り収入額(賞与込み)と比べてどれくらいかを表します。現状は60%程度。国は、今後も50%以上を維持すると約束していますが、40%以下まで落ち込む最悪のシナリオもあります。ちょうど今年、今後の見通しを検証する、5年に1度の「財政検証」が行われています。

大きく年金額が減っても慌てないように、早くから節約や貯蓄の習慣をつけましょう。

今月の回答者

望月厚子さん
社会保険労務士・FP。望月FP社会保険労務士事務所代表。大学卒業後、生命保険会社、独立系FP会社を経て独立。公的年金や保険、住宅ローン、ライフプランニングなどの個人相談ほか、セミナー講師としても活躍。

[日経ウーマン 2019年8月号の記事を再構成]

日経ウーマン 2019年 8 月号

出版 : 日経BP
価格 : 680円 (税込み)


女性 新着記事

ALL CHANNEL