仮想空間を動けるVRゴーグル、両手使うゲームも快適
注目の新製品や新サービスをピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、フェイスブックのVRゴーグル「Oculus Quest(オキュラス クエスト)」。人気を集めた「オキュラス ゴー」に比べ、機能が向上した。
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●実勢価格/4万9800円(税込み)
●サイズ・重さ/幅193×高さ105×奥行き222mm・571g
●解像度/左右各1440×1600ドット
●プロセッサー/Snapdragon 835
●ストレージ/64GB
●発売日/5月21日
スマホやパソコンなどをつながずに単体で使えるVRゴーグルとしては、2万円台と格安なことで人気を集めた「オキュラス ゴー」。その発売から約1年かけて大幅な機能向上を果たした上位機「オキュラス クエスト」が発売された。
最大の強化ポイントは、人間の首の傾きだけでなく、前後左右への移動や、立つ・座るといった上下の動きにも対応したこと。ゲームなどのアプリ内で、VR空間の中を自由に歩き回れる。画面の画素数も約2割増えて、プレイステーションVRなど他社のVR専用ゴーグルと比べてもトップクラスの画質になった。
もう一つの進化は、コントローラーが2つに増え、「両手」が使えるようになったこと。側面に2個あるボタンの押し方によって、「指さす」「握る」といった手の動きを表現できる。例えば釣りのゲーム(Bait)では、さおを持ち上げながらリールを回すなどの操作が直感的にできた。
欠点は、アプリによってはある程度の広さが必要なこと。コントローラーを振り回すアプリでは2メートル四方のスペースが推奨され、背が高い人は天井高にも配慮する必要がある。テニスのアプリを試したところ、スマッシュの際、照明に何度もコントローラーをぶつけてしまった。
VRゲーム機としての完成度は非常に高く、他に仮想映像シアターなどの用途も期待できそうだ。
画質は単体機としてはトップクラスで操作も快適。アプリは約50タイトルと少なめだが「年内に100タイトル」という計画が順調に進めば、「オキュラス ゴー」を超えるヒットになるだろう。試せる店舗が国内に無いのが唯一の懸念。
[日経トレンディ2019年8月号の記事を再構成]
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