縦長フォーマットを生かした、企業の活用事例

ファッションブランド「ビクトリアズ・シークレット(@victoriassecret)」は、ショーに登場するモデルたちに質問を投げかける「Runway Q&A」というシリーズをIGTV向けに制作している。華やかなショーが人気のビクトリアズ・シークレットだが、このシリーズではあえてモデルたちのカジュアルなシーンを撮影し、親近感を抱かせる演出を打ち出している。被写体との距離が近く感じられる縦長フォーマットをうまく生かした事例だ。

ビクトリアズ・シークレットのIGTV。モデルへの一問一答を掲載するなど、親近感を抱かせる工夫がポイント

国内企業では、身長150センチメートル前後の女性向け洋服ブランド「COHINA(コヒナ、@cohina.official)」の活用例が参考になる。販売している商品を身長の異なる女性に着せた動画を公開し、着用イメージを見せている。静止画より動画のほうが商品の素材やデザインを把握しやすく、何より縦長フォーマットが生きている。IGTVの画面をタップするとコメントが表示される。COHINAはそこに価格やセール情報、商品購入ページのURLを記入している。

COHINAのIGTV。画面をタップするとコメント欄が表示される

ドキュメンタリー番組専用チャンネル「National Geographic (@natgeo)」は同社が制作、放送している「Hostile Planet」という番組のメーキングを3分ほどに編集し、「Hostile Planet Behind the Scenes」として毎週IGTVに投稿している。IGTVとの相乗効果でさらに番組を楽しめる上、IGTVから番組への誘導もあり、プロモーションにつなげている。

メーキングを公開しているNational Geographic

まとめると、IGTVに効果的なコンテンツのポイントは以下の3つだ。

(1)縦長フォーマット

縦長での視聴を想定するため、人物にフォーカスした動画が映える。

(2)カジュアルなコンテンツ

しっかりと作り込まれた内容よりも、親近感を持てる動画に向いているため、舞台裏や人物が普段見せないキャラクターを披露するようなコンテンツが適している。

(3)シリーズ化

IGTVはインスタグラムのアカウントページの「チャンネル」タブで動画が一覧表示されるため、共通のテーマでシリーズ化するとよい。固定ファンを獲得できるだけでなく、過去動画への閲覧も期待できる。

ファンを獲得するIGTVの活用法

実際にどんなコンテンツを作ればいいか検討するために、IGTVの仕様と対策を紹介する。

動画の長さはIGTVは15分で、アカウントによって最長60分の動画を投稿できる。ただしインスタグラムによると、「1~4分ぐらいの長さが特にエンゲージメントが高い傾向にある」という。長いクリエイティブを投稿できるプラットフォームだからと張り切って長尺の動画を作るよりも、最適な長さで制作すべきだ。

既存の横長動画を活用したい企業もあるだろう。サポートされたばかりの横長フォーマットなら、そのまま流用できる。スクエア動画は上下部分がぼけて表示される。横長に向いている動画はダンスやゲーム、またはスポーツなどのコンテンツ。縦長は人物やより没入感を強調したい被写体に適している。

IGTVへの導線は、検索に関してはカテゴリーやキーワードでなく、アカウント名での検索となる。IGTVの動画はインスタグラムのアカウントにひも付いている。つまりインスタグラムのファン(フォロワー)に向けて動画を見せることができる。

IGTV成功の鍵は、インスタグラムのフィード、ストーリーズと相互にリンクし合い、組み合わせることだ。タッチポイントを増やすことでインスタグラムでの存在感を強調できる。ぜひチャレンジしてもらいたい。

(ライター 鈴木朋子)

[日経クロストレンド 2019年6月25日の記事を再構成]

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