年金だけで足りないなら… 老後のお金3つのポイントいまさら聞けない大人のマネーレッスン

2019/7/4

年金は税金や社会保険料で1割程度が天引きに

まずは「入」で大きな割合を占める年金額を確認しましょう。

年金の受給額は、毎年誕生日月に送られてくる「ねんきん定期便」や、「ねんきんネット」、お近くの年金事務所などで確認できます。

50歳未満の人は、「ねんきんネット」での試算がおすすめです。というのも、「ねんきん定期便」には、これまでの加入実績による年金額が記載されています(若い人であれば、その金額の少なさに驚くかもしれません)。今後保険料を納めることで年金額は増えるため、将来受け取る金額とは異なります。

「ねんきんネット」では、これからの年収やどのように働くかなど、細かな条件を設定した試算が可能です。もちろん、今後どう働くかは分かりませんが、ある程度の目安をつけることができます。

50歳以上の人の「ねんきん定期便」は、現状のまま、60歳まで働き続けた場合の年金見込み額が記載されています。会社を辞めたり、お給料が大きく上下したりしない限り、記載されている受給額から大きく変わることはないでしょう。

注意したいことは、年金からは税金や社会保険料が天引きされるということ。おおむね受給額の1割程度が天引きされる、と考えておいて下さい。

毎月の生活費をざっくり試算 現役時生活費の7割~8割が老後支出の目安

年金額を把握したところで、つづいては老後の「出」である生活費を考えます。

家計簿をつけている人は、現在の支出から、退職後に不要になるであろう支出(スーツ代・交際費・外食の費用など)を差し引くとよいでしょう。

家計簿をつけていない人は、以下の要領でざっくり現在の生活費を試算して下さい。

1. 手取り収入 × 12カ月 + ボーナス(手取り) = 1年間の収入
2. 1年間の収入 - (特別な支出 +医療・介護費 +ローン返済額 + 貯金) =1年間の生活費

※特別な支出は、車・家電の買い替え、家のリフォーム費用、冠婚葬祭費など

その上で、退職後は支出が減るケースが多いため、上記の生活費の7割~8割を老後の支出の目安として下さい。

平均年収510万円の会社員の場合

金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)でも引用され、物議をかもした「2000万円」問題の論拠となったのが、総務省の2017年「家計調査(二人以上の世帯)」です。

この調査によると、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯(高齢夫婦無職世帯)の1カ月あたりの平均消費支出は23万5477円。さらに非消費支出の2万8240円を加えると、26万3717円になります。これに対し、平均年収約510万円の会社員・専業主婦のモデルケース(※)の社会保障給付は19万1880円で、その他収入を加えても、1カ月あたりの実収入は年金額は20万9198円。結果、毎月5万4519円、95歳まで生きるとした場合、65歳から30年で約2000万円が不足するという計算になります。この不足分を国ではなく個人の才覚(資産運用)で乗り越えなくてはならいとしたことが議論を呼んだわけです。

総務省「世帯属性別の家計収支(二人以上の世帯)」2017年~「高齢夫婦無職世帯の家計収支」より

(※)夫・会社員の平均標準報酬(賞与を含む月額換算)42万8000円(平均年収約510万円)で40年間就業、妻がその期間すべて専業主婦だった世帯。

この試算では住居費は約1万4000円で住宅ローンは支払い終えていて、教育費がかかっていません。しかし、交際費などを含むその他諸経費が約5万4000円で、不足分と同じくらいですね。支出に含まれており、家賃がかからない(住宅ローンを支払い終えている)会社員の世帯であれば、その他の消費支出が少なければ不足は発生せず、年金だけで生活費の多くをまかなえる可能性もあります。

反対に、フリーランスや自営業者の人は、加入しているのは国民年金のみなので、年金だけで生活していくことは難しいといえます。

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