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和菓子と日本酒は意外にマッチ 異色のペアリング体験

抹茶をからめた麩まんじゅうはしっかりした日本酒と合わせる

店内のテーブルにお客と店主が対面するかたちで向き合い、話を聞きながらコースが進んでいきます。2品目ではつくださんが目の前で抹茶をたててくれました。茶わんの中で茶せんが激しく動き、そこに一緒に味わう日本酒も少し加えられて、麩(ふ)まんじゅうの上にできたての抹茶がかけられていきます。

2品目は抹茶がかけられた麩まんじゅう。日本酒の瓶も緑色で2つ並べた彩りも美しい

最後に上にピンク色のシソの花をあしらって完成かと思いきや、いったんおわんには蓋がかぶせられるのです。香りを閉じ込めるとのこと。その間、つくださんの話を聞きながら「八十八夜、茶摘みが盛んな季節」と改めて日本の時節や抹茶文化を意識しながら料理(和菓子)と向き合います。

ひと呼吸置いて、おわんを開けたら感動! 抹茶とシソの香りが辺りにふんわりと広がります。新緑の野山に花が咲いたような美しい盛り付けも感動的で、参加者全員がスマホ撮影。もちもちとした麩まんじゅうに、ほどよい苦みがある抹茶をからめながら味わいます。麩まんじゅうの中にはあんこも入っているのですが、それほど甘すぎません。同店では2品目はこのように温かいおわんものをいつも提供しているのだそう。

合わせる日本酒はうま味のしっかり感じられる「菊姫」(石川・菊姫)の山廃純米酒。しかも冷やと熱かんの両方をおちょこで少しずつ飲み比べできるのがいいのです。「料理にお酒の温度を合わせるだけで、料理との相性が良くなることもあります」と白土さん。約2年熟成させた酒で、温めると香り豊かになり、うま味やコクもさらに広がります。この蔵元では兵庫県特A地区の山田錦を厳選使用しているらしく、酒米に対する作り手のこだわりなども白土さんからうかがいました。

インゲンと白ゴマの浮島はキレのある日本酒と楽しむ

3品目はインゲンと白ゴマの浮島(蒸し菓子)。お客の目の前で浮島を型から出すと(下写真の左)、芸術的な美しさのインゲンの寒天がお目見えして、歓声が湧き上がります。

3品目はインゲンの浮島。豆の香りと酒の木の風味が同調します

今が旬のインゲン豆もこんなふうに蒸し上げると、野菜のお菓子といった具合で、初対面のお客同士も会話が弾み、かなり盛り上がりました。自分が想像していた和菓子とはぜんぜん違う世界観にただ驚きます。

お客の目の前で浮島を切り分けてくれるのですが、インゲンに包丁が入るたびにキュ!キュ!と音が鳴ります。新鮮だからこそのインゲンの弾力。口に含んでからもその食感やインゲンの青々しい豆風味を存分に堪能できます。透き通ったインゲン寒天にはコアントロー(オレンジリキュール)も少量使われていて、豆風味&ゴマ風味にかんきつ系の爽やかさもプラス。

つくださんは「インゲン豆のゴマあえのお菓子版です!」と分かりやすいように説明してくれて最初は納得。だが味わっていくうちに、「いやいや、そういうお総菜レベルの普通のおいしさではない。次元が違う。もっと上品で豆が濃厚」と思えてきます。同店では3品目はいつも旬の野菜を使った和菓子らしくない一品なのだそう。

そしてそれに合わせるお酒は「山形正宗 赤磐雄町2017」(山形・水戸部酒造)。「雄町が得意な蔵元で、雄町特有の強さがありながらも後味にキレがあります。鼻から抜ける香りが杉のような木の香り」と白土さん。確かにインゲン豆の青々しい風味に、清涼感のある木の香りがうまく同調していて気分爽快。

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