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セクハラ泣き寝入りは防げるか 改正均等法の強化点

2019/6/25

「就活のOB・OG訪問のマッチングアプリやクラウドソーシングなどは以前はなかった。技術革新や働き方の多様化をよくウオッチし、起こりうる問題を想定した新しい対応が求められる。予防措置を講じることが大事だ」

「都道府県の労働局では、別々にあったセクハラとパワハラ、マタハラの相談窓口を3年前に一本化し、複合的な問題にも対応できるようになった。ハラスメントに悩む人のためにも行政の体制を万全にすることが不可欠だ」

(聞き手は関優子)

■日本の取り組み、世界に遅れ
今国会で成立した改正男女雇用機会均等法には、セクハラを「行(おこな)ってはならない」とする責務規定が初めて明記された。セクハラに関して相談した従業員に対し、企業が不利益な取り扱いをすることを法律で禁止した。国会の付帯決議では、就活セクハラなど多岐にわたる問題について防止対策を講じることが採択された。

日本で初めて職場でのセクハラ防止策を規定したのは99年。企業などにセクハラ防止に向けて「配慮」するよう義務付けた。2007年には「配慮」から「措置」義務として強化され、行政指導に従わなかった企業名の公表も盛り込まれた。
ただ、セクハラの被害は減っていない。厚生労働省によると、全国の労働局に寄せられたセクハラに関する相談は約7千件と「高止まりしている」(雇用機会均等課)。
国際労働機関(ILO)は6月、職場でのセクハラや暴力を禁止する初の国際条約を採択した。職場でのハラスメントを刑事罰や損害賠償の対象として直接禁止する国は増えたが、日本には同様の規制がなく、取り組みが遅れているとの声も出ている。

■一人ひとりの意識がカギ ~取材を終えて~

労働政策研究・研修機構の16年の調査によると、セクハラ防止に取り組んでいる企業は約6割。07年の改正男女雇用機会均等法は企業にセクハラ防止の措置を義務付けたが、徹底されているとは言い難い。実効性を高めるために、行政の監督強化や違反企業へのペナルティーなど踏み込んだ対応も求めたい。

石井さんも山田さんもセクハラを「意識の問題」と位置づける。法律が改正されても、性的な嫌がらせが他者に不快感を与えることを社会の一人ひとりが理解していなければ抑止にはつながらない。意識改革を促すための息の長い啓発が欠かせない。

(関優子)

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