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溶け合う日本と台湾の温泉文化 「星のや」台中に開業

2019/6/28

浴室フロアから見えるグーグァンの景色も、温泉を楽しむための要素の一つ。グーグァンでも高い場所に位置するため、湯船に浸かればほかの建造物が視界に入らない。眼前に広がる山々を眺めながら入浴できるのも、ここならではの魅力になっている。

リビングの奥に絶景を楽しめるテラスを設けた「風音」

外観は、ガラスと木の格子を交互に重ねたような、凹凸のあるファサードだ。台湾の建造物は、高層ビルなどでも直線的な構造のファサードは少なく、さまざまな要素を付け加えた凹凸がある造りが多く見られる。おおらかな空間の使い方は、設計を手掛けた東環境建築研究所の代表取締役、東利恵氏が見いだした台湾建築の特徴だ。こうした特徴を台湾の文化の一つと捉え、空間づくりに取り入れた。廊下などにも、直線で構成した空間があまりなく、入り組んだような造りになっているのはそのためだ。

■日本の温泉文化を伝えていく

滞在中は、屋外のプールで泳いだり、プールサイドに点在するガゼボでドリンクを飲みながら休憩したり、広大な庭をのんびり散歩したりするなど、思い思いに過ごすことができる。湯上がりラウンジでは、時間帯に応じて、松の葉を粉末状のシロップにしたかき氷や台湾茶を提供する。

敷地内の見どころの一つがウオーターガーデンだ。ウオーターガーデンは、庭全体に張り巡らされるように水路が引かれた庭。水路はつながったり、枝分かれしたり、庭全体が織りなす雄大なランドスケープの象徴となっている。このウオーターガーデンは、一部の客室からも眺めることができる。

庭全体に張り巡らされるように水路を引いたウオーターガーデンも見どころだ

「敷地内にいると、水路を流れる水の音や、周囲に生息するフクロウの鳴き声なども聞こえてくる。ほかにも、オオルリチョウやヤマムスメといった渓谷に生息する野鳥を眺めたり、裏手にあるトレッキングコースを散策したり、くつろげる場所や空間がいくつもあって、自分だけの特等席を見つけていただけるはず」(田川氏)

台湾の温泉は、基本的に水着を着用して入る。星のやグーグァンでは、温泉をより開放感を伴って楽しんでもらえるように、裸で入浴するなどの楽しみ方を提案していく。温泉の楽しみ方を紹介するスタッフ「温泉マイスター」の育成もその一環だ。ほかにも、露天風呂に入る前のドリンクを用意するなど、食事やスパメニューと組み合わせた、日本の温泉文化を体現する場所にしていく。体験としての温泉の楽しみ方を、ハードだけでなくソフトを活用しながら伝えていく考えだ。

共用の大浴場は、森の奥に続いていくかのような開放的な雰囲気の露天風呂だ

開業してから当面は、宿泊客の7 割は台湾内から訪れると想定している。台湾内の人々をメインターゲットに、星野リゾートのリピーターや海外からの宿泊客を呼び込んでいく。

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