BENのコンセプト図

「トイレにカメラ?という拒否反応を心配していたんですが、100人アンケートをとったところ、48人が使ってみたいと回答してくれた」と中本さん。ユーザー心理もしっかり調査済みだ。審査員として参加した企業関係者からは「人の命に目を向け、アンタッチャブル感のある便に着目したのが良い」「手間がかからないので事業性が高い」といった評価があった。

冷蔵庫と食の問題に注目したのはLightblue Technologyだ。AI系のベンチャー企業である同社でインターンをしている東京大工学部システム創成学科3年の谷口俊一さん、東洋大情報連携学部の米一烈希さん、慶応大医学部3年の井原慶子さんの3人が、社長の勧めでビジコンに参加した。3人のアイデアは冷蔵庫内管理のアプリ「インミール」で、「日々の食の管理を冷蔵庫から」がキャッチフレーズだ。

冷蔵庫の中身管理で食品廃棄問題に挑む

「持続可能な開発目標(SDGs)に関係していて、消費者向けのビジネスにしたかった」(谷口さん)。全員が食や食品廃棄の問題に関心があったことから、冷蔵庫の中身も上手に管理、活用するアプリ開発を思いついた。

冷蔵庫内にカメラを設置し、スマホとつないでいつでも中身をチェックできるようにする。さらに、画像から食材をシステム側が判断し、いまある在庫で作れるメニューを提案するほか、アプリをネットスーパーと連携させ、アプリ内で足りない材料の買い物も済ませられるように設計する。

アプリ利用は月600円とし、世田谷区で実証実験を始めるといったロードマップもばっちり。審査員からは「ビジネスとして目が行き届いている」という評価の声があがった。

次のページ
断熱シートでお年寄りに暖かい部屋を