梅雨時になぜか頭痛やめまい 気象病はなぜ起きる

日経Gooday

正解は、(3)気圧です。

気圧が下がると自律神経にストレス反応が起きる

2005年に日本で初めての「天気痛外来」を開設した、中部大学生命健康科学部教授の佐藤純さんによると、気象病を引き起こすのは気温や湿度ではなく、気圧だといいます。

「医学の世界では昔から“気象病”と呼ばれている病態があって、慢性痛、気管支喘息、脳卒中などいろいろな病気が気象の影響を受けます。頭痛など痛みが主に表れる場合は、私はとっつきやすい“天気痛”という用語を考案して使っています。天気痛は、気圧の変動によって、痛みや周辺症状(めまいなど)が発症、増強するような病態です」(佐藤さん)。具体的には、頭痛、膝痛、腰痛、古傷が痛むといった痛みのほか、めまい、抑うつ状態などが起こります。

「内耳の前庭(三半規管の根元)に気圧センサーがあり、気圧が低くなると自律神経にストレス反応が起きて交感神経が優位になる。これが気象病の原因です」と佐藤さん。

「例えば、乗り物酔いという現象があります。これは目から入ってくる情報があまり変化しないのに、体が揺れることで内耳が受け取る平衡感覚にズレが出てくることで脳が混乱する結果、血圧が下がり、気分が悪くなる。気圧センサーの感受性は人によって異なるのですが、気象病を起こす人は内耳が敏感なので、体が揺れていないのに気圧の変化により感覚にズレが生じて脳が混乱するのです」(佐藤さん)

交感神経優位とは、すなわち緊張している状態のこと。「頭痛や古傷など慢性的な痛みは、ストレスを感じて交感神経が優位になると強くなるんです」と佐藤さん。気圧が低くなると、交感神経が優位になることで、血圧や心拍数が上がります。さらに、気圧が下がるとヒスタミンの分泌が増えるという説も。ヒスタミンは体内の炎症反応を促進する性質があるため、痛みや腫れが出てくることになります。

では、どうすれば気象病の症状を予防・改善できるのでしょうか? 佐藤さんが勧める具体的な対策は以下の5つです。

気象病から逃れるための5つのコツ

(1)「天気日記」をつける

気象病対策のアプリや家庭用の気圧計などを使って、毎日の天気、気圧、体調を記録し、最低1カ月間続けてみましょう。「気圧と体調に関係があることが分かれば安心するでしょう。まず、その安心感だけでも症状が改善します」と佐藤さん。

(2)規則正しい生活を心がける

朝食を食べたり食べなかったり、睡眠時間が日によって違う、といった不規則な生活をしていると自律神経が乱れてしまいます。

(3)乗り物酔いの薬を飲む

佐藤さんの天気痛外来では、治療の基本は「めまい薬」。内耳のリンパ液の循環を良くすることで、過敏になっている内耳の反応を抑えられるといいます。また、薬局などで市販されている乗り物酔いの薬でも効果があります。ポイントは「ジフェニドール」などの成分で、内耳のリンパ液の循環を改善する作用があります。

(4)首のストレッチ

首の骨の横には椎骨動脈があり、これが内耳の動脈につながっています。したがって、「首の筋肉をゆるめて血行を良くすると、内耳のリンパ液の循環も良くなり、頭痛やめまいといった症状が抑えられます」と佐藤さん。

(5)運動をする

運動の習慣を持つと、自律神経のバランスが整いやすくなります。特にウォーキングや水泳など、負荷が少なく、長時間続けられる有酸素運動が効果的。心肺機能のアップや血圧が下がることに加え、ストレスの解消作用もあります。

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday2019年6月17日付記事を再構成]

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