人材のおしながき、医師が呼ぶMRを目指す 中外製薬中外製薬 チームCSK(下)

現場に出て顧客の声が聞けてよかったという評価も

斎藤真美さん(入社9年目・北海道東北支店 岩手オフィス所属・オンコロジー担当)

白河 従来の常識を壊して新しいことを始める時には、どうしても抵抗が生まれるものですよね。どうやって説得していったのですか?

斎藤真美さん(以下敬称略) やはり上長から順に承諾を得ていく方法をとりました。

白河 説得するには、掲載される側のメリットを伝えることが重要だったのだろうと推測します。実際に協力してくださった方からは、どんな反応が?

小林 「現場に出て顧客の声を直接聞けたのはすごくよかった」と喜んでいただけたのは私たちもうれしかったです。営業職以外の社員が顧客と接する機会はただでさえ限られる上、昨今のルール厳格化でますます難しくなっていますので、貴重な機会ととらえてもらえたようです。

安藤千尋さん(以下敬称略) 当社の強化ポイントである「部門間連携」を促進するきっかけをつくれたのではないかと、私たちも自信を持てました。

安藤千尋さん(入社7年目・メディカルアフェアーズ本部所属・オンコロジー担当)

白河 実証実験の結果が出て、エイカレで見事大賞もとられ、その後の社内での横展開はいかがですか?

小林 全社的な導入につながるにはまだまだステップが必要ですが、私の所属している支店では継続のご要望が強かったので、さらなるブラッシュアップに取り組む動きが始まっています。

深沢 「おしながき」への掲載を協力してくれた他部門の担当者も手応えを感じたようで、「このプロジェクトの成果について、部門の社員にも詳しく説明してほしい」と言われて、社内講師として話す機会を何度かいただきました。私たち営業職発の問題意識から始まった取り組みでしたが、協力先となった部門からも促進の流れが生まれています。

小林 顧客向けに実施していた研究会や講演会の運用も、よりニーズに寄り添えるものになってきました。今回の「おしながき」を通じて、医療制度の担当者を連れて、がん患者の就労支援にかかわる診療報酬の制度改定について説明に行ったときに、現場の医師の方々から非常にニーズが高まっているテーマなのだという感覚をつかんだんです。制度をすでに運用している近隣施設や自治体の担当者、大学講師の方々にも集まっていただいて講演会を実施したところ、「こういう企画をしてくれて助かった。とても感謝している」とのお言葉をいただけて。単に「当社の薬を使ってください」と説明する研究会ではなく、長い目で見て顧客をサポートする視点で企画することが、信頼にもつながっていくのだと確信できました。

社内のネットワークが広がる

白河 MRの皆さんにとっては、情報の守備範囲が格段に広がりますよね。ご自身にとってのメリットも感じられましたか?

深沢 社内のネットワークが広がったし、深まったことは大きなメリットだと感じました。部門間連携を取りやすいツールがあることで、入社してまもないMRでも「困ったときにはこの人に相談しよう」というルートを持つことができます。経験年数を重ねなければ培えなかったノウハウを短期で獲得できるので、とても効率がいいと思います。

白河 なるほど。「おしながき」があれば担当者が交代しても引き継ぎもしやすくなりますよね。労働時間に関しても改善のきっかけになりそうでしょうか? MRは女性に人気の職種ですが、研究会対応などで夜遅くまで仕事をすることも多く、ライフイベントと両立しづらいという声もよく聞くのですが。

深沢 私は子育てで時短勤務中なので、これまでも夕方以降の研究会対応は他のメンバーに代行をお願いすることが多かったのですが、他部門にも顧客と面識のある社員がいると、「先生をお見かけしたら挨拶しておくね」と言ってもらえることが増えました。自分が不在のときのフォロー体制が広がるという意味で、子育て中も両立しやすい環境づくりにつながるのではと感じます。