出世コースは管理職より専門職 働き方改革で新潮流20代から考える出世戦略(60)

このような場合、係長から課長になってもちゃんと給与は増えて、しかも残業時間は増えないということになります。

給与に見合った業績責任と評価の仕組みが成長を実現

ただ、課長になるとやっぱり業績責任は増えます。

残業見合いをしっかり払おうとする会社ほど、今まで以上にしっかり業績責任を持ってもらおうとします。

たとえばある会社の人事制度改革では、それまで5万円だった課長手当を12万円にすることで一定時間の残業見合いとして給与水準を底上げしました。1日3時間以上残業しないような制限も厳しくしました。

あわせてこの会社では、賞与の評価基準を厳しく見直しました。それまでは業績に関わらず8割の課長が中間評価のB評価を受け、それなりの賞与を受け取っていました。しかし課長手当引き上げにともない、全社業績に応じた賞与の変動と、各課の業績変動にあわせて賞与を大きく増減するようにしたのです。

結果として標準評価を受ける人はこれまでの半分の4割になりました。あとの3割は今までよりも賞与が増えたものの、あとの3割は賞与が減ることになったのです。

これを労働強化、と取る人もいるかもしれません。

けれども、それまでのこの会社の不満は「業績責任と給与が見合っていない」ことだったので、少なくともそれは解消されました。

そして意外に思うかもしれませんが、この制度のほうが会社の業績を伸ばしただけでなく、社内の雰囲気も良くしたのです。

業績達成のために効率的に活動するにはどうすればよいのか、ということを、組織の中核である課長たちがしっかり考え始めたことがそのきっかけでした。

それでもやっぱり業績責任は嫌だ、という感覚はあたりまえかもしれない

今の人事制度改革の主流は、業績責任に見合った給与をちゃんと支払っていく、というものです。だから、業績をあげることにたいして前向きな人にとって過ごしやすい会社が増えています。

しかし、業績などの数値責任を負いたくない、という人は一定割合で存在します。いや、むしろそちらのほうがあたりまえかもしれません。あなた自身のまわりでも、数値責任を課せられてやりがいを感じている人はそれほど多くはないでしょう。

より多くの人はむしろ、目の前の仕事に没頭したいとか、自分の専門性をさらに高めたい、とか、顧客に喜ばれる仕事がしたい、とか、業績を出す前のプロセス部分で活躍することに喜びを感じています。

そして実は、人事制度はそのような人たちにも対応するような仕組みを用意しつつあるのです。

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