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新卒採用に「2021年問題」 若手人材難、本番これから

2019/6/11

6月1日の東京・丸の内。就職面談を終えたリクルートスーツ姿の学生が多数歩く

6月1日の東京・丸の内。いつもは閑散としている土曜日のオフィス街をスーツ姿の若者が行き交っていました。就職活動中の学生たちです。この日は2020年春・新卒採用の選考解禁日。既に内定を出した企業もありますが、大手企業はこの日からが本番。本命の会社の面談に向かう学生たちの緊張した表情が目に付きました。

今年の就職戦線は昨年以上の売り手市場といわれています。就職情報のディスコ(東京・文京)によると、6月1日時点の内定率は71.1%と前年比5.4ポイント上昇しました。一方で「採用活動は順調」とする企業は25%にとどまり、「苦戦」が48%を占めます。採用計画通りに学生を確保できない企業の実情が浮かび上がります。

浜銀総合研究所(横浜市)主任研究員の遠藤裕基氏は「採用難の本番はこれから。特に21年以降、一層厳しくなる」とし、「新卒採用の2021年問題」に警鐘を鳴らします。根拠は22歳人口の推移です。10年代はほぼ横ばいでしたが、22年以降、減少トレンドに入ります。21年就職戦線から学生の獲得競争が厳しさを増すわけです。

日本は1989年に合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むと推計される子どもの数)が1.57と戦後最低を更新し、少子化が社会問題化しました。ただ90年代の年間出生数はほとんど減っていません。出生率は下がっても出産期にある女性人口の増加がそれを補ったからです。しかし00年代に入ると、この効果がなくなり、年間出生数が減り始めました。国の将来推計人口(17年推計)によれば、20年の22歳人口は124.4万人ですが、22年122.7万人、25年115.1万人、30年110.9万人と急減します。

新入社員獲得には採用手法の工夫が大切になります。先手を打つ企業も出ています。トランスコスモスは18年に「3years Return Pass」を導入しました。内定辞退者に3年間の優先選考・入社権を保障します。他社に入社したものの仕事内容が期待と異なり、早期退職する第二新卒を狙った対策です。東急エージェンシーは留年学生に限定した採用ルートをつくりました。留年を多くの企業が敬遠するなか「留年は、財産」としてより多くの応募者確保を目指します。

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