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立川談笑、らくご「虎の穴」

海山の幸、なんでもうまい新潟県 ところで何地方? 立川談笑

2019/6/9

イラスト=PIXTA

商売柄、日本中あちこちを巡りますが今回は新潟県にぐぐっと注目してみます。新潟県のおいしい食べ物の話、そして新潟県の謎に迫ります。

私には新潟で毎年恒例の落語会があって、まずは独演会。ありがたいことに例年大入りです。そして「虹色寄席」と銘打つ会は今年で6回目。こちらも完売の人気です。それもそのはず、出演者は三遊亭白鳥、入船亭扇辰、柳家喬太郎、林家彦いち、桃月庵白酒、春風亭一之輔。さらに紙切りの林家二楽(以上、敬称略)と、当代の人気者が並ぶんですから。「いや、その道中のォ、にぎやかなこと!」……と楽屋でのバカ話に突入したいところですが、今回は食べ物に集中します。

とにかく新潟は食べ物がうまい! 何でもうまい! すべてうまい!

海産物がずば抜けておいしいけど、私がいつも感動するのはごはん。メシ。米。ライス! 「日本一のコメどころで、なおかつ水が良い」なんて解説してくれる方がいますよ。私が思うに、炊くひとの技術だとか食べる側の舌の肥え方だとか、とにかくそういう水準からして違うんではないかと。

その、大勢でうかがう方の「虹色寄席」ってのがまた楽しみなんです。午後1時開演の、終演が5時すぎ。わはは。長時間に及ぶ、過酷な労働です。なんなら聴くお客様だって過酷だしね。でもまあ疲労感もまた、それはそれで味わいだったりしますが。楽しみというのは、「打ち上げ」です。日帰りできるのにわざわざ泊まりにして、みんなでゲラゲラと笑って飲んで騒いで。んで、翌朝フラフラになって帰京する。これが楽しみ。

感涙のノドグロ塩焼き

なんたって、魚がうまいったらない! ノドグロ塩焼きなんて、もう……。新潟県長岡市出身の扇辰師匠が世話やきでね。こんがりと焼きあがった高級魚を前に勢い込む一同を制して、「ちょちょ、ちょい! 待て。やってやっから、待て! 待ってなって。こうしてさ、カリカリに焼けた頭を、むしって身にまぶすんだよ。な? で、ここに大根おろしやら薬味を……。うん、これでいいかな。おう、やってごらん」。一箸つけて、一同感涙にむせびます。わおーん!!!

寒くて魚がうまい時期での開催が続いていたこの会。去年はノドグロだけでなく、「香箱蟹(こうばこがに)」ってのをいただきました。かなり貴重な、ズワイガニの雌。調理は、生のまま酒につけたとかそういう。一座を順繰りに回すと、ひとくちすすって「うわっ!」、ちょっと食べて「どわっ!」の連続でした。あれは何だろう。ちょっとやそっとのうまさじゃない。あまりの衝撃に、後頭部がパーン!とはじけそうなくらい。

今年は5月末だったから香箱蟹はありません。ノドグロはあるにはあったけど、小ぶりだそうですよ。初夏なのですね。季節が違う分、冬には味わえなかった枝豆などが供されて、美味でした! 中でも「十全なす」の浅漬けは「うめっ!」「何これっ!」「わ、ほんとだ!」の連鎖で、いうなればノドグロに並ぶほどの衝撃でした。それでもまだ「ハシリ」。本来の「旬」の味わいには及ばないってんですよ。これからどんだけおいしくなるんだ。

んでまたこの会は、昼間の公演中から食事が充実しておるのです。単なるお弁当ではなく「ケータリング」と呼ばれるしつらえです。楽屋の広い廊下がドーンと食堂のようになって、温かい(または冷たい)料理がずらりと並んでいて、誰でも!いつでも!好きなだけ!食べられる。わーお、これこそ、パラダーイス!!!

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