光ディスクの選び方&正しい保管方法
現在、パソコンで扱える光ディスクはCD、DVD、BDの3種類に大きく分類でき、それぞれにいくつかの規格がある。まずはタイプを確認しよう。規格名称の末尾に「-R」や「+R」とあるものは1回のみ記録できるタイプで、「-RW」「+RW」「-RAM」「-RE」とあるものは書き換えが可能だ。また、「ROM」とあるものは読み出し専用タイプで、市販ソフトや雑誌付録などで使われている。
DVDには「-R」「+R」などまぎらわしい規格が多く存在するが、これは2つの団体が同時期に似たような規格を策定してしまったためだ。とはいえ使い勝手は変わらず、最近のパソコンはどちらにも対応しているので特に意識しなくてよい。DVDとBDの「DL」は2層、「XL」は3~4層を示し、何も記載されていない1層のディスクよりも大容量だ。BD-R LTHは、記録層に色素を使うBDを表す。
BDが大容量で低コストだが対応パソコンは少ない
CD-R、DVD-R、BD-Rの中で1枚当たりの価格が最も安いのはDVD-Rだ。50枚組の安価な製品なら1枚20円以下で購入できる。一方、1ギガバイト当たりの単価で見ると一番安いのはBD-R。50枚パックの安価な製品で比べると、1枚40円程度でDVD-Rよりは高いが、1ギガ当たり単価は2円を切り、DVD-RやHDDよりも安くなる。
1ギガ当たり単価で見るとBDで決まりのようにも思えるが、BDにも弱点がある。BDの書き込みどころか、読み出しにすら対応しないパソコンが最新機種でもかなりあるという点だ。愛機の仕様書で光学ドライブのBD対応を確認しておこう。

パソコンに光学ドライブがない場合は、USB接続の外付け製品を用意すればよい。CDとDVDの読み書きに対応する製品なら3000円前後。BDの読み書きにも対応する製品だと9000円前後になる。
BDには傷に弱いというデメリットもある。CDやDVD、BDはどれも直径12センチの樹脂(ポリカーボネート)製ディスクで見た目は大差ないが、記録層の密度が違う。
容量が異なるのは記録密度と読み取り用レーザー光のスポット径による。BDはCDやDVDよりも記録密度が高くスポット径も細いため、細かい傷でもデータが読み出せなくなる可能性がある。なお、BDは規格上、記録面に傷が付きにくい「ハードコード技術」という表面処理が施されており、CDやDVDより傷は付きにくい。傷が付く危険がない保管環境ならBDという選択肢は十分にアリだ。
寿命は最長1000年、長期保存なら金属系素材
光ディスクの寿命は保管状態にもよるが10~20年程度、品質が良いディスクなら100年といわれているが、それ以上の長寿命をうたう「M-DISC(エムディスク)」と呼ぶメディアもある。ただし、書き込みにはM-DISC対応の光学ドライブが必要なので、パソコンや光学ドライブの仕様を確認しよう。なお、ディスク自体もかなり高価だ。

M-DISCが長寿命なのは、記録層に独自の金属系素材を使うためだ。DVD-Rは通常、記録層に色素を使う。色素にレーザーを当てて化学的に変化させることでデータを書き込む。それゆえ、紫外線などによる経年劣化で色素が変化してしまうとデータを正しく読み出せなくなる。一方、M-DISCは記録層の金属系素材にレーザーで凹凸を作ることで記録するため劣化しにくい。