リーダーが語る 仕事の装い

キタムラでは、クールビズなどまかりならん キタムラ社長 北村宏氏(上)

2019/6/6

「気に入らないのがクールビズだ。お客様を迎えるのに最低限のドレスコードを持っていないと僕はいやですね。だからキタムラではクールビズは許しません」と話すキタムラの北村宏社長(横浜市のキタムラ元町本店)

1980年前後に一世を風靡した横浜・元町発のお嬢様ファッション「ハマトラ」ブームに乗り、全国区のブランドに躍り出たキタムラ。女心をとらえたのはパステル調の愛らしいバッグだった。デザインでは「品」を重視するという北村宏社長は横浜きってのダンディーな経営者として知られる。社員に対しては「お客様を迎えるのに、最低限のドレスコードを保てないのは絶対にだめ」と服装の大切さを徹底的に教え込む。仕事の装いが信頼関係につながるという持論を熱く、過激に語った。

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■我々は客商売。店でノータイなんてありえない

――キタムラの社員は女性がオリジナルのワンピース姿、男性はスーツをきちんと着ています。最近は小売りの現場でもカジュアル化が進んでいますが。

「お客様にきちんとした格好で応対する。当たり前の礼儀ですし、それが信頼につながっていく。たとえば横浜で私がパーティーを主催するときはタキシード着用です。商店街の人たちに大反対されますよ。ですが知事も市長もお迎えするのだから失礼だろう、と反論します。我々は客商売。お客様をお迎えするときに最低限のドレスコードも持たないなんて許しません。店で男性はスーツにネクタイ。ノータイなんてありえない」

――社員の服装チェックは厳しいそうですね。パワハラになってしまいませんか?

「昔は気に入らないネクタイをしていたらハサミでちょん切った。コーディネートが合っていない者には着替えてこいとも言いました。ちょん切った後に代わりのネクタイをあげていたら、それを期待して変なネクタイをしてくる社員が増えちゃって……。今はこんなこと、やりませんけどね。やっぱり人間、顔形が違うでしょ。自分に似合うものを見つけるのも仕事。ファッション企業なのですから」

――接客業の身だしなみでもっとも大切なことは何でしょうか。

「客に不快感を与えてはいけない。一番は清潔感。そして第一印象でお客様から親しみを感じてもらえる、優しいいでたちでいること。気を配るべきは服装だけじゃなくて、表情もね。怖い顔の社員には、ハンドバッグを脅して売っているみたいだな、と注意します」

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