転職で採用されるのは「ツイてる人」 面接で自分演出経営者JP社長 井上和幸

ツキのある企業・取引先とつきあう

冒頭にも紹介しましたが、松下幸之助が自社の採用で基準としていたのは「素直さと、運が良さそうか否か」だったというのは有名な話です。採用や異動受け入れ検討の際は、ぜひ、その人のスキルや専門知識だけでなく、この部分もチェックしてみてはと思います。

目の届く組織内なら、管理はまだ簡単ですが、気を付けなければならないのは外部パートナーの場合です。パートナー候補の組織の業績や動きを見たときに、ここ数年パッとした業績を上げていないとか、社員が大量離職していたり、他の企業との取引を打ち切られていたり、ということがみられた場合、その負のオーラは自社に伝染してしまう可能性が大ということになります。

逆に、着実に業績を伸ばしていたり、果敢にチャレンジを繰り返し成果が出ていたり、有能な社員が増えている企業であれば、そのツキは自社にもプラスの影響をもたらしてくれるでしょう。

これは個人レベルでも言えることで、ネガティブワードばかり使う担当者は避ける、覇気のないベンダーは断る、「自分はツイていない」と自己暗示をかけている人は採用しないことをおすすめします。

ビジネスでもプライベートでも、やたらとトラブルを起こしたり、個人業績が落ちたり、ため息ばかりついている人や、いつもイライラしているような人とは、なるべく距離をとっておくべきですね。

相手のツキを見抜き、「付き合いたいパートナー」を見極める。定期的に、「ツキのないもの」をばっさり捨てて、ツキを呼び込むスペースを作っておく。

ツキを見極めるフィルター力をミドルやシニアのあなたが持っていれば、組織風土や業績はプラスの方向へとどんどん展開していくことでしょう。

ツキを呼び込む5つの条件

そもそも私たちのキャリアは、用意周到に計画できるものではなく、予期できない偶発的な出来事によって決定されます。これは米スタンフォード大学の心理学者、ジョン・D・クランボルツ教授が、いわゆる成功者と定義できる人たち(莫大な財を成した、名声や地位を獲得したなど)を対象に、その成功の秘訣やキャリアを分析・研究した結果から明らかにした理論「プランド・ハップンスタンス・セオリー(計画的偶発性理論)」で明らかになっていることです。

この調査によれば、人生の節目節目の出来事やターニングポイントになった要因のうち、なんと8割もが、本人も思いもよらなかった偶然の出来事や出会いだったそうです。偶然を柔軟に受け止め、その結果を計画的にデザインしていくことでこそ、良いキャリアを展開できるのです。

そのクランボルツ教授が「プランド・ハップンスタンス・セオリー」で明らかにしたところによると、偶然を味方につけるために、私たちが持つべき心構えは「好奇心」「粘り強さ」「柔軟性」「楽観性」「リスクテーク」の5つ。つまり、この5つの心構えを持つ人こそが、ツキ・運を呼び寄せる力を持つ人なのです。

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