正しい情報をどのぐらい知っているだろうか。
1000人に聞き、間違った人が多い順にランキングした。
(901人)
(1)ノロウイルス (2)アニサキス (3)カンピロバクター
18年に厚生労働省へ報告された食中毒1330件で最も多かったのは寄生虫「アニサキス」による468件。サバやサンマなどの内臓にすむアニサキスは、加工・調理の段階で多くは取り除かれる。気付かずに食べてしまうと腹痛や嘔吐(おうと)が生じる。予防法は5位参照。
アニサキスによる食中毒の報告が急増した背景には、新たに食品衛生法に基づき国への届け出項目に入り、届けを出すべき食中毒という認識が高まったことがある。加えて「流通が発達し、魚の生食が増えたことも影響しているのでは」(日本食品衛生協会の飯田信行さん)。
一方、解答ではノロウイルスを選んだ人が一番多かった。患者数では集団感染するノロウイルスが全体の約50%を占め、最も多い。
答えは(2)
(754人)
(1)1% (2)20% (3)50%以上
カンピロバクターはニワトリなどの腸内にすむ菌で、加工する段階で食肉を汚染することが多い。厚生労働科学研究報告によると、処理後の鶏肉でカンピロバクターが見つかった割合は67%だった。多くの鶏肉に付着し、少量でも発症するという。
鶏肉による食中毒事件のほとんどは鳥刺しやタタキ、加熱不足で食べたことに由来する。カンピロバクターは鶏肉の繊維の中まで入り込んでいるため、表面を加熱しても肉の内部に細菌が生き残る場合が少なくない。鶏肉は中心部の色が変わるまでしっかり加熱しよう。
答えは(3)
(727人)
(1)しょうが焼き (2)レアステーキ (3)ハンバーグ
家畜は腸に病原性大腸菌を保有することが多く、菌は肉の表面につく。肉をひく段階で大腸菌が内部に入り込むため、十分に火を通さないと食中毒を起こす可能性が出てくる。「ハンバーグやつくねなど、ひき肉を使った料理には特に注意しましょう」と鳥居内科クリニックの鳥居明院長は呼びかける。調理するときは、しっかり加熱できたかどうか、中心部の色を確認しよう。
ステーキなどは表面がひき肉ほど多くない。表面を十分に加熱すると食中毒の危険性は低めになるという。
答えは(3)
(675人)
(1)手をアルコールで消毒 (2)丁寧に手を洗う
ノロウイルスは一般的に消毒用アルコールでは毒消しの効果が薄いとされる。また、手に油がついている状態だとアルコールをはじく可能性がある。丁寧な手洗いを小まめにするほうが効果的だ。
ノロウイルスによる食中毒の原因は調理する人の手洗い不足によることが最も多いという。ただし、水洗いだけではダメ。せっけんをしっかり泡立て1分間ほどもみ洗いした後、水ですすぐ手洗いを2回繰り返す「二度洗い」が効果的。ウイルスを大幅に減らすことができるという。
答えは(2)
(625人)
(1)酢で締める (2)十分に加熱する (3)1日以上冷凍する
アニサキスは熱に弱く、60度で1分間加熱すると死滅する。また、マイナス20度以下で、24時間以上冷凍すると死滅する。しかし、普段の食事のために調理する方法で「サバなどを食酢で締めてもアニサキスには効果がない」と鳥居院長は説明する。刺し身を食べるときは一度冷凍した方が、食中毒のリスクは低くなる。
釣りをする人は「釣った魚は新鮮だから安全」と過信せず、なるべく早く内臓を除き、できれば一度冷凍した後で食べるのがおすすめだ。
答えは(1)
(615人)
(1)数時間以内 (2)1~2日 (3)1週間ぐらい
統計調査で最も患者数が多いノロウイルスの潜伏期間は1~2日。O―157など病原性大腸菌による食中毒も体内で原因菌が2~3日かけて増殖した後に症状が出る。細菌やウイルスによる食中毒の場合、直前に食べたものが原因であることは少ない。
解答では腹痛や吐き気、下痢など食中毒が疑われる症状が出たとき、誤って「数時間以内に食べたものが原因ではないか」と考える人が多かった。病原体の種類によって異なるが、梅雨から夏にかけて湿度や気温が高く、細菌が増えやすい。細菌性食中毒に要注意だ。
答えは(2)