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相続ルール改正 配偶者が自宅に住み続けられる権利も 知って得するお金のギモン

日経ウーマン

2019/5/16

■「資産の大半が自宅」でも、もめずに済むようになる?

次は「配偶者居住権」の創設。

ある人が価値4000万円の自宅と2000万円の金融資産を残して亡くなり、相続人は配偶者と子供の2人の場合を考えます。親子で争いとなり法定相続分で分けることになると、配偶者の取り分は2分の1の3000万円。しかし「3000万円分の財産」はないため、自宅を売却せざるを得なくなることもあります。

そこで今回、自宅にそのまま配偶者が住み続けられる権利が創設されました(2020年4月1日施行)。上記の例では、配偶者居住権の評価が2000万円なら、配偶者はこの権利を相続して死ぬまで家に住み続けられ、かつ金融資産1000万円を相続して当面の生活資金も得ることができます。子供は、自宅の価値から配偶者居住権を引いた2000万円分と金融資産1000万円を相続し、配偶者の死後には自宅を相続税不要で引き継げます。

配偶者居住権の評価額は、建物の残存耐用年数と配偶者の平均余命などから計算します。

最後は「特別寄与料」。病身や認知症の親の面倒を見るのは相続人とは限らず、例えば「息子の嫁」や、独身の人の姪(めい)、甥(おい)というケースも多いのでは。従来の民法では、こうした貢献は制度として保護されておらず、相続財産を得られない人もいました。今回の改正では貢献した人が、相続人に対して金銭的な請求をすることを制度として認めました(今年7月1日施行)。請求のためには日記や領収書などで、しっかりと証拠を残すことが必要です。

3点とも少子高齢化という現在の社会に合わせた改正といえるので、相続が発生しそうな場合には意識してみてください。

今月の回答者

望月 茂さん
税理士。大手簿記学校の税理士専任講師を経て、2006年に望月茂税理士事務所を開設し、代表に。税金のお得情報や、確定申告・相続税のノウハウなどを分かりやすく解説。

[日経ウーマン 2019年6月号の記事を再構成]

日経ウーマン 2019年 6 月号

出版 : 日経BP社
価格 : 680円 (税込み)


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