夫の健康志向が家計の重荷に
女優、美村里江さん
夫の健康志向に困っています。玄米、トマトジュース、酢のジュース、アーモンドなどなど。風邪など引かないようになったのでよいことかもしれませんが、我が家の家計を圧迫しています。(大阪府・30代・女性)
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健康志向、色々な物が流行(はや)っていますね。以前はテレビで放送したものにみんなが飛びついて、猫も杓子(しゃくし)も○○、という感じで大ブームになりました。今はインターネットのおかげで、食材や食べ方の情報が国内外を問わず幅広く手に入ります。芸能人御用達というだけで売れてしまったりするので、責任を感じる部分でもありますね。
さて、健康には大きく分けて2つあると思います。「体の健康」と「心の健康」です。健康志向が家計を圧迫する。この点での相談者さんの心の負担を、旦那様に上手に話してみましょう。(「俺が早死にしてもいいのか」など、もめ事に発展せぬように細心のご注意を)
「あなたにはいつまでも元気でいてほしいけど、家計を預かる人間としてこれが精いっぱいなの」というのがストレートな言い方でしょうか。何かを「良い」と信じている方に、それを諦めさせるのは妻の立場といえども困難。自分の不安な気持ちを丁寧に伝えるのがよさそうです。理性的な旦那様であれば、「この予算内でお願い」と、金額で具体的に伝えるのもいいでしょう。
旦那様は情報にも敏感そうに感じます。「最新」をお知らせするのも有効かもしれません。「こんなのがあるらしいのよ」と、お金のかからない方法に誘導できる可能性があります。
例えば、「1日の食事が3食である理由、あなた知っている?」と尋ねてみるのです。西洋では工業化の流れによるとか、日本国内でも諸説あります。
1日3食が定着している先進国に対して、発展途上国などでは「時間で区切らず、お腹が空いたら食べる」が基本というところがあります。こうした国々の人のほうが先進国の人よりも身体能力が高かったり、女性は髪や肌がキレイだったりします。
人間やペットに多い肥満は野生動物にはありません。ある動物タレントの事務所では猫への給餌を2日に1度にして、野生動物を手本に内臓を休めているそうです。私の知る健康蘊蓄(うんちく)を並べてみました。
ストレスが一番よくないというのは医学界の定説。大切なのは「心の健康」です。健康でいたい旦那様のお気持ち、家計を安定させたい相談者さんのお気持ち。双方が安心できる着地点が見つかりますように。
[NIKKEIプラス1 2019年5月11日付]
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