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昭和ノスタルジーを味わう 都内の正統派ラーメン3店

「中華そば六感堂」の「中華そば(白・手揉み麺)」

中華そば六感堂

<創作ラーメンの旗手による懐に優しく懐かしい中華そば>

動物系不使用のスープに、ユーグレナ(ミドリムシ)を配合した麺を合わせたコンテンポラリーな塩淡麗ラーメン。そんな他に類例を見ないギミックを凝らした1杯を引っ提げ、14年のオープン以来、女性客を中心に高い支持を獲得している「麺屋六感堂」。

そんな「六感堂」が19年3月にオープンさせた2号店が、こちらの「中華そば六感堂」だ。

1号店の屋号が「麺屋六感堂」で、場所はJR池袋駅東口。2号店の屋号が「中華そば六感堂」で、場所はJR池袋駅西口。対照的なのは屋号や場所だけではない。

同店のマネージャーを務める高山氏は語る。「1号店は『塩』が推しメニューで、洗練された今風のラーメンを相対的に高い値段で販売しています。なので、こちらの『中華そば六感堂』では『醤油(しょうゆ)』を看板メニューとし、昔ながらの中華そばを懐に優しい価格で提供したいと考えました。1号店は女性客がターゲット、2号店は男性客がターゲット。1号店とは真逆のコンセプトの店を出すのも面白いかなと思いまして」

メインターゲットは男性客だ

現在、同店が提供するのは、しょうゆベースの「中華そば」。「黒」と「白」の2種類を作り分け、客の訪れを待つ。

「2号店の場所は池袋駅から離れています。駅から遠いことは、飲食店にとって不利な要素だと捉えられがちですが、そうは考えていません。ちょうど良い規模の住宅地が控える場所ですので、地域に寄り添った落ち着きのある店を目指していきたいと思っています」。

誠に心強い発言で、手掛けた1杯を口にすれば、その言葉が誇張でないことが、まざまざと実感できる。

「黒」のスープは鶏ガラ・丸鶏・豚ガラを丁寧に炊き込んだだしに、たまりしょうゆベースのタレを合わせたもの。「白」のスープは、「黒」のだしに同量の煮干しだしをブレンドし、焼き豚を作るときに生じるタレを合わせたもの。

それぞれ味のベクトルこそ異なるが、いずれのスープも、月日の経過に耐えられる地に足の付いた味わい。

中でも特にオススメしたいのが「中華そば(白)」。麺は「細麺」と「手揉(も)み麺」のいずれかから選択できるが、まずは「手揉み麺」を指名してもらいたい。

水分をタップリと含んだ多加水極太麺は、手揉みによって生じた強烈な縮れも相まって、すする都度感触が変化するメリハリ豊かな食感を付与する。スープと共に丼に注ぎ込まれるラード油の香りや、フワリと膨らむ焼豚ダレの気品ある甘みも、過不足なく絡め取る「このスープにしてこの麺あり」の逸品だ。

どちらかと言えば学生などの若者人口が多い池袋で、このような「ノスタルジックラーメン」が食べられる店は貴重。同地に足を運ぶ機会があれば是非、立ち寄ってみていただきたい。

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