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back number、11年目の進化 歌う世界観に広がり

日経エンタテインメント!

2019/5/11

2009年2月のインディーズデビューから数えて11年目を迎えたback number。今やバンドシーンのトップに立つ彼らの歩みを振り返り、進化を続けるサウンドの魅力を検証する。

清水依与吏(ボーカル&ギター、写真上)、栗原寿(ドラム、下左)、小島和也(ベース、下右)。2019年は4月20、21日の静岡エコパアリーナを皮切りに、9月20、21日の沖縄コンベンションセンター展示棟まで、全国18カ所36公演のアリーナツアーを開催する

美しく親しみやすい旋律と骨太のバンドサウンドに乗せ、女々しいと形容されるほどの情けない感情をもさらけ出した等身大のラブソングで共感を集めるback number。ここ最近も、映画『銀魂2』の主題歌『大不正解』や、戸田恵梨香とムロツヨシの共演が話題を呼んだドラマ『大恋愛』の主題歌『オールドファッション』などヒットを連発。18年は初のドームツアーも大成功した。

まぎれもなくロックバンドのトップを走る存在だが、デビュー前はワゴン車で寝泊まりしながらライブハウスを回るなどしてきた苦労人だ。そんな3人をデビュー当初から見てきたユニバーサルミュージックのA&R・藤田武志氏は、「彼らの最大の武器は上質な楽曲。その制作能力の高さはデビュー前から備わっていた」と振り返る。

「ライブを初めて見たのは09年のインディーズ盤発売直後。演奏はまだ未熟でしたが、90分間『次はどんな曲だろう』とワクワクし通しでしたね。ライブ後、絶対にうちでやるべきだといろんな人に電話をかけまくりました(笑)。当時から清水君は、毎回ベスト盤のようなアルバムを作りたいと言っていたのですが、その言葉にうなづくくらい、どの曲もクオリティーが非常に高かった」(藤田氏)

■転機となった『ヒロイン』

50局以上のラジオ局でパワープレイを獲得した2ndシングルの『花束』(11年)も、デビュー前から温めていた楽曲。恋愛の始まりを男女のぎこちない会話調につづった歌詞は、歌詞検索サイトで上位に入るなど10代女子を中心に熱烈な支持を得た。こうした詞と曲の力を信じていたからこそ、「当初から特に奇をてらったプロモーションはせず、ベーシックなことを丁寧にやろうと心掛けた」(藤田氏)。

実力派バンドの世界を大きく広げたのは、「サウンドプロデューサー」と「タイアップ」だ。ドラマ『高校入試』の主題歌『青い春』(12年)で、『ミュージックステーション』に初めて出演すると、勢いは加速。広瀬すずが出演したJR東日本「JR SKISKI」のCMソング『ヒロイン』(15年)で、一気にお茶の間に浸透した。

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