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ビジネス英語・今日の一場面

それ皮肉? 励ますときのhow aboutは要注意 デイビッド・セイン「間違えやすい英語」(65)hard

2019/4/18

言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、人を励ますときに気をつけたい表現についてお話しします。

◇  ◇  ◇

勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。

会社の同僚ナンシーに元気がないことに気づいたヒロシは、心配して声をかけます。どうやら、昇進を目指して受けていた資格試験に落ちてしまったようでした。そこで励まそうと思って、「もう少し頑張ってみたら?」と言ったところ、ナンシーはひどくご立腹。善意のつもりが、逆に相手を傷つけてしまったかもしれません。いったいヒロシの言葉のどこに問題があったのでしょうか?

それは、こんな会話でした。

Hiroshi: You look a little sad. Are you okay?
Nancy: I failed the certification test.
Hiroshi: How about trying a little harder?
Nancy: You don't have to be so rude. I already know that.
Hiroshi: I didn't… I wasn't…

日本語に直すと次のようになります。

ヒロシ:なんだか悲しそうだね。大丈夫?
ナンシー:資格試験に受からなかったの。
ヒロシ:もう少し頑張るくらいのことは、ちゃんとやったら?
ナンシー:そんな失礼なこと言うまでもないわ。それぐらい分かってるから。
ヒロシ:いや…、そんなつもりじゃなくて…。

「~したらどうですか?」と提案をするときの表現として、How about ...ing?というフレーズがあることはご存じですね。一見すると問題なさそうですが、これはHow about going shopping?(買い物に行かない?)のように、相手にとって何かよいことを提案したり誘ったりする場合にOKなのです。ところが、今回の会話に出てきたtry hard(精一杯やってみる、努力する)など、必ずしも楽しくないことについて使うと、「そのくらい、ちゃんとやったらどう?」という皮肉のニュアンスが伴います。相手を励ますつもりだったとしても、失礼になりかねませんので気をつけたいところです。

ちなみに、ナンシーをムッとさせてしまったヒロシが、しどろもどろになって言った最後のセリフ、I didn't… I wasn't…とは何のことでしょうか。これは、I didn't mean to be rude. I wasn't rude.の略と考えられ、「失礼なつもりはなかった。失礼はしていなかった」という意味になります。

それでは、どう言えばよかったのでしょうか。

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