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求められる上司像は変化を重ねて、一昔前とは様変わりしつつある。写真はイメージ=PIXTA

求められる上司像は変化を重ねて、一昔前とは様変わりしつつある。写真はイメージ=PIXTA

転職を考えるミドルやシニアにとって、「これからの働き方」「これからの上司像」に合致することができるか否かは、採用可否にダイレクトに関わる問題となってきました。背景には就労価値観の変化、ワークスタイルの変化があります。その一端はこの4月から施行された働き方改革関連法にも表れています。今回は、求められる上司像をリーダーシップの発展理論から明らかにしてみます(以下の考察は小杉俊哉THS経営組織研究所代表社員と当社の共同研究「リーダーシップの発展理論」に基づいています)。

企業組織が登場・発展してきたこの数世紀の社会経済の中で、管理型リーダー(「1.0」)からカリスマ型リーダー(「2.0」)へと変わり、そしていま、支援型スタイルのリーダー(「3.0」)に注目が集まり、さらにこれから自己実現型のリーダー(「4.0」)への移行が進んでいくと私たちは見ています(「リーダーシップ3.0」「同4.0」は経営者JPの登録商標)。言い方を変えればこれは、「上司1.0」「上司2.0」から「上司3.0」「上司4.0」へと上司像が移り変わっているということです。

転職をお考えの40代・50代の人も、これから求められるミドル・シニアであるために、これからの新天地での活躍を確かなものとするためにも、ぜひ「上司3.0」「上司4.0」スタイルを身につけてほしいと思います。その裏付けとなる「リーダーシップ1.0」~「リーダーシップ4.0」について解説してみましょう。

ボス型→調整者型→変革者型とリーダー像は変化

「リーダーシップ1.0」は、産業革命を受けて登場した企業組織においてまず最初に編成された、古典的な官僚型組織、権威型組織でのマネジメントを指します。権力、権限をふるうトップダウン型のスタイル、強権発令で「あれをやれ」「これをやれ」と指示するボスがこれに当たります。大量生産型で産業が勃興し急成長のギアが入った時代に、定型的な製品を拡大再生産するには適したスタイルでした。管理統制型であるがゆえに、かなり内向きなリーダーシップでもあります。

ちょっと興味深いのは、日本の高度成長時代に見たリーダーシップスタイルです。私たちはこれを「リーダーシップ1.5(調整者型)」と呼んでいます。これは、ムラ的でありつつ、その中で結構、現場を生かすことや意見を取り入れること、また集団としての仲の良さ、和気あいあいとしたものが組織に生かされるリーダーシップの時代でした。日本的雇用の「三種の神器(終身雇用、年功序列、企業別組合)」的なやり方が、世界のお手本とされ、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などともいわれて欧米が日本の組織を学びにきた時代でした。

さて、1990年代になると、グローバル化も進み外部競争が激化するなかで、「そんな内向きなやり方だけではつぶれてしまう」とばかりに、それまでのリーダーシップを否定するリーダースタイルが出てきました。「リーダーシップ2.0(変革者型)」です。

これは組織の方向性を大胆に提示して、部門間の再編・競争・交流を促すことによって組織を変革していくタイプのリーダーシップを指します。いわゆるカリスマ型リーダーですね。ジャック・ウェルチ氏やルイス・ガースナー氏など、個性が際立って見えるタイプのトップがグイグイと自社を率いていくスタイルが望ましくみえました。日本でも90年代から2000年代前半ごろまで、大手企業トップであれベンチャー起業家であれ、このタイプの経営者に注目が集まったような印象があります。

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