津田大介 移動オフィスになるキャンピングカー求めて

この車の特徴は車載用リチウム蓄電システム「KULOS-5000」。このシステムを使うことで、他のキャンピングカーに比べて車載の家電製品を快適に使えるという。エアコンなら13時間連続で稼働できる。夏にドアを閉めたままでも夜通し快適に寝られるというわけだ。展示でもこのシステムを前面に押し出していた。

全長5380mm×全幅1930mm×全高2285mmと、「SevenStar PRECIOUS」よりひと回り大きく車内もゆとりがあった。乗車定員は6人だが、就寝定員は4人まで。前方のリビングと後方のベッドは、扉を閉めて独立空間にすることができる。ただ実車をみると、僕がイメージしていたものよりも大きいという印象を受けた。

キャンパー鹿児島の「rem second act(KULOS Ver.)」は独自の車載用リチウム蓄電システムを搭載。車内に積んだ家電製品が快適に使えるという
車内に4人が就寝できる。前方のリビングエリアと後方のベッドエリアは扉を閉じて仕切れる構造になっていた

BADEN ALTAMODA/立って車内を移動できる高い居住性

最後に見たのは、岐阜に本社を置くTOY-FACTORYの「BADEN ALTAMODA」だ。

TOY-FACTORYの「BADEN ALTAMODA」。救急車にも使われる車種がベースになっている

ベースの車種は救急車にも使われている「TOYOTA HIACE SUPER HIGH ROOF」で、全長5380mm×全幅1920mm×全高2540mm。高さがあるので、2台目の「rem second act(KULOS Ver.)」よりさらに大きい印象を受けた。その分、車内は広い。室内高は180cmあるので、立ったまま車内を移動できる。乗車定員は7人、就寝定員は5人まで対応している。人数的には僕の希望を満たしたモデルだ。

実際に乗ってみると車内は広くて快適だった。オフィスとして使っても問題ないだろう。ただ当然ながら車体サイズも大きい。ここまで大きいと普段使いとの兼用も現実的ではなさそうだ。

居住性は3台の中で最も高く、立ったままでも車内を移動できる。展示車は運転席には長時間の運転でも疲れにくいレカロシートを採用していた

最初はレンタルで体験するのもアリ

今回の取材でそれぞれのメーカーの担当者にも質問してみたのだが、僕が考えているように移動オフィスとしてキャンピングカーを利用している人も実際にいるという。数多くの車を見て、オフィスでキャンピングカーを持ちたいという気持ちもますます強くなった。

ただ同時に、一口に「バンコン」といっても、いろいろな違いがあることもわかった。車自体のサイズ、車内の広さ、バッテリーの持ち時間など、必要な条件は人によって異なる。自分のケースを確認するために、購入する前にキャンピングカーを試乗する必要があると実感した。

調べるとキャンピングカーをレンタルできるサービスがある。そこで泊まりがけの出張で青森へ行く際に、東京に本社を持つTOWA MOTORSのバンコン「Zelt(ツェルト)」をレンタルしてみることにした。全長5380mm×全幅1950mm×全高2285mm。「rem second act(KULOS Ver.)」とほぼ同じ大きさで、乗車定員や就寝定員も一緒だ。

実際に青森まで出かけてきて、感じたのは、やはりベッドで横になれると車の中でも疲れの取れ方が違うということだ。行ったのは冬の時期だったが、車内は暖かく布団をかければ寒さも感じなかった。車内に冷蔵庫が付いているので、夜冷たい飲み物が欲しくなってもコンビニなどに行かなくて済むのがうれしい。

実際に青森まで出かけてみて、僕にとっては最初に見た「SevenStar PRECIOUS」くらいの大きさが理想だと感じた。ただ僕の用途では定員が少ない。今回の取材を第一歩に、理想の移動オフィスとして使えるキャンピングカーを探していきたいと思う。

津田大介
ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。「ポリタス」編集長。1973年東京都生まれ。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。主な著書に「情報の呼吸法」(朝日出版社)、「Twitter社会論」(洋泉社新書)、「未来型サバイバル音楽論」(中公新書ラクレ)など。近著に「情報戦争を生き抜く」(朝日新書)。

(編集協力 藤原龍矢=アバンギャルド、写真 渡辺慎一郎=スタジオキャスパー)

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