自分自身の技術や経験はどうでしょう? 有効な資格があれば一生安泰でしょうか? いえ、それがたとえ弁護士や公認会計士資格であったとしても、たとえば20年前に取得して使っていないものであれば、何の役にも立たないでしょう。

そして関係性はどんどん希薄になりつつあります。総務省が発行している日本の統計2019によれば、3世代以上が同居している世帯数の割合は最近15年間で5%低下し、今や6.9%でしかありません。逆に一人暮らしは7%増え34.5%にもなります。家族とは、頼るものではなく、自立とともに巣立つものに変わっているのかもしれません。

かつてのように、社会が変わらず、リスクが増えず、関係性が変わらない社会では多くの資産は安定を約束してくれていました。しかし変化が速くなり、安定を約束するものはずいぶんと減ってしまいました。だから現役時代の蓄積した資産で生活を担保することが難しくなってしまったのです。

資産が目減りするなら新しく作るしかない

では私たちはどのような行動を選択すべきでしょう。

一言でいうならば、それは、資産の洗い直しです。

関係性などの信用資産、技術や経験の資産、事業資産、不動産資産、金融資産などなどについて、それぞれしっかりと現在価値を見直し、更新していくことが重要なのです。

個人としては、関係性などの信用資産、技術や経験の資産、事業資産をしっかり見ていきましょう。これらについて、それぞれ今も活用できるかどうかをしっかりと確認していく作業が洗い直しです。

特にキャリアの観点でいえば、今いる会社でこの3つの資産をちゃんと増やしていけるかどうかを確認してゆきます。これはシンプルな表で確認できる作業です。

これは一昨年と昨年とを年単位で比較する表にしていますが、もう少し長期スパンで見てもよいでしょう。

かつての一般的なキャリアでは、若いころに苦労して仕事を覚えれば、中堅以降はその余禄で成果を出せる、というものが多かったようです。しかし現在はそのようなわけにはいきません。

ぜひ一度、皆さんが置かれている状況で、皆さん自身の資産がちゃんと増えているかどうかを確認してみてはいかがでしょう。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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