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森トラストの伊達美和子社長

森トラストの伊達美和子社長

東京都心で大型複合開発を手がけ、地方でも外資系高級ホテルを次々に誘致するなど、積極的に事業展開を進める森トラスト。伊達美和子社長(47)は森グループ創業者の故・森泰吉郎氏の孫で、2016年に父の森章氏(現会長)から森トラストの経営を引き継いだ。自らを「ストイックな性格」と語る同氏は、祖父・父から貪欲に経営の哲学を学び取ってきた。

(下)人は理屈だけでは動かない 子育てで学んだ人材育成術 >>

中学生で知った祖父の経営理念

――16年の社長就任時、「創業家のDNAを継承するのが使命」と語りました。祖父の泰吉郎氏が作った「17カ条」の経営理念を大切にしているそうですね。

「祖父が昭和43年(1968年)に語ったものです。実は私自身、中学生のころに父の手帳か何かに書かれているのを見せられた記憶があります。高校時代からビジネス書が好きで、ハーバード・ビジネス・レビュー誌やマイケル・ポーター氏の著書『競争の戦略』などを愛読していたのですが、優れた組織論と祖父が掲げた17カ条には重なる部分が多いと感じていました」

「17カ条にはいまの働き方改革論議に通じる要素も盛り込まれています。『職場とは単に労働を提供して報酬を得る場ではない。報酬とは、訓練を通じて実現した生産性に対応してあるものだ』などと、生産性にはかなりこだわっています。一方で、『やる気が起き、生きがいが感じられるような職場環境をつくり上げなくてはならない』『上下関係にかかわらず切磋琢磨(せっさたくま)して高め合っていくべし』など組織論の全てがここに書かれているように思います」

「特に私自身が強い思い入れを持っているのは、『冷静な判断力、行動力(クールヘッド)と温かい心意気(ウォームハート)を備えることが大切である』という項目です。会社を持続していくにはクールヘッドが欠かせません。一方で、なぜ事業を持続させるのかといえば、やはり社会に貢献するのだという情熱、ウォームハートがあるからです。祖父も父も『我々はファミリー事業ではあるけれども、事業をする真の目的は、会社という公の器を通して社会に貢献するためだ』と繰り返し語っています。その信念が森家のDNAだと思います」

父と会話のキャッチボール 決断の裏のロジックを学ぶ

――ビジネスにはかなり早い段階から興味があったのですね。

「父がよく会社から書類を持ち帰ってきては、見せてくれていたので自然とそうなりました。当社は年2回、社長講話があるのですが、父の講話に対する社員の感想を読ませてもらうこともありました。父が何を伝えようとしていたのかもなんとなくわかりますし、社員の受け止め方にもバラエティーがあるのだと知って、面白かったですね」

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