半年のウォーキングで、中高年の「段取り能力」が改善

日経Gooday

ウォーキングで認知機能が向上することが無作為化試験で明らかに。写真はイメージ=(c)Dmitry Travnikov-123RF
ウォーキングで認知機能が向上することが無作為化試験で明らかに。写真はイメージ=(c)Dmitry Travnikov-123RF
日経Gooday(グッデイ)

普段運動をあまりしておらず、認知機能がやや低下した人が、45分程度の有酸素運動を週3回、半年間継続すると認知機能の一部が改善することが、米国で行われた無作為化試験[注1]で明らかになりました。

半年間の有酸素運動で「段取り能力」が向上

今回改善が認められたのは、認知機能の中の「実行機能」と呼ばれるもので、目標を達成するために段取りよく行動する能力を指します。具体的には、目標を設定する、最適な計画を立てる、作業を行いながら必要に応じて修正する、到達度を推定し作業を効率化する、といった一連の行為を行う能力です。

試験に参加したのは、(1)普段座っている時間が長く、(2)認知症と診断されるほどではないものの、軽度の認知機能の低下があり、(3)高血圧、高血糖、血中脂質量(コレステロールや中性脂肪)の異常が1つ以上認められる、55歳以上の160人(平均年齢65.4歳)です。高血圧、高血糖、脂質異常は、認知症の発症、認知機能の低下、心筋梗塞・脳卒中などの心血管疾患に共通する危険因子として知られており、今回参加した人たちは、「将来、認知症や心血管疾患にかかるリスクの高い人」ということになります。

これらの人たちを、「有酸素運動+DASH食の指導」(40人)、「有酸素運動のみ」(41人)、「DASH食の指導のみ」(41人)、または「健康に関する教育のみ」(対照群、38人)のいずれかに割り付けて、6カ月間実践するよう指示しました。

DASH食とは、高血圧予防のための食事法として米国で広く実践されている食事法で、カリウム、カルシウム、マグネシウムや食物繊維が豊富な野菜や果物、ナッツ、低脂肪の乳製品などを積極的にとるというものです(「高血圧防ぐ『DASH食』 野菜や果物、ナッツ多めに」を参照ください)。

有酸素運動はウォーキングかサイクリングマシンを週3回

有酸素運動を行うグループには、当初3カ月間は、週3回、運動強度が最大心拍数の70~85%になるレベルの運動を行うよう指導しました。1回の運動は、ウォームアップ10分、35分間の連続ウォーキングまたはサイクリングマシン漕ぎとし、運動の様子を監視しました。その後の3カ月間は、自宅で同様の運動を行うよう指示しました。

[注1]無作為化試験:参加者を条件の異なる複数のグループにランダムに割り付けて、その後の経過を比較する臨床試験のこと。無作為化比較試験、ランダム化比較試験ともいう。

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