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話題のこの店この味

ジャマイカから奄美まで味多彩 首都圏のキッチンカー

2019/3/24

ジャマイカ料理のジャークチキンで人気の「アイランドキッチン」

キッチンカーには、珍しい海外の食を扱う店も多い。

「この料理なら、自分が東京で一番おいしい料理を提供できる」――。そう考え、カリブ海に浮かぶ島国ジャマイカの名物料理ジャークチキンで勝負するのは「アイランドキッチン」の店主、杉崎佑樹さんだ。ジャークチキンは下味を付けた鶏を蒸し焼きにした料理。現地では屋台からレストランまで様々な店のメニューに並ぶ。

有名和食店、ホテル インターコンチネンタル 東京ベイの「分とく山」などで料理を学んだ杉崎さん。ニューヨークやジャマイカで働いた経験もあり、30歳での独立を考えたとき、看板メニューとして頭に浮かんだのがジャークチキンだったという。「焼き鳥に似ていて、今は知る人が少なくても、広がる可能性のある料理だと思った」(杉崎さん)。

「アイランドキッチン」店主の杉崎さん 弁当にはサラダや週替わりの総菜が添えられる リピーターが多く、取材日には7、8割がリピーターの客だった

下味にタイムとオールスパイスを使うほかは現地でも各店で味付けが異なるというジャークチキン。「アイランドキッチン」では、隠し味にしょうゆを加えている。現地で一番おいしいと思った店で、これを多めに使っていると聞いたからだ。肉はニンニクやショウガ、タマネギ、長ネギ、セロリなどを使ってマリネ。マリネにはパイナップルも使うため、その酵素の働きで肉がとても軟らかく仕上がるという。

同店では、あらかじめ火を通しておいた肉を客の前で温め表面をパリっと仕上げる。基本的には火が通りすぎないよう低温で鍋で温めるのだが、炭火を使える出店場所ではこれを用いる。小さな車の中に備えつけた炭火焼きの網から煙が上がる様子はライブ感たっぷり。

「アイランドキッチン」の一番人気は鶏肉を使った「ジャークチキンボックス」(750円)だが、豚や牛肉版にもファンがいるという ほかに鶏、豚、牛と3種の肉を盛った弁当「スペシャルグリルボックス」(1000円)がある(写真はこれを調理中)

現地では最後にケチャップやタバスコをかけて食べるというが、杉崎さんはケチャップベースのオリジナルソースを作り肉に合わせる。定番の鶏のほか、牛バラ肉や豚肩ロース版もあり、「全部のせ」を食べてみると、さっぱりとしたチキン、とろりと軟らかい豚肉に肉々しさが際立つ牛肉とそれぞれ食感・味わいが異なりぜいたくこの上ない。好みで生と乾燥トウガラシを使った手作りのチリソースをかけるのだが、酢が入っているのでピリッと辛いだけでなくさっぱりとした味わいに。

肉を載せるご飯にも工夫を欠かさない。炊き込みご飯の方が合うと、ターメリックとクミンを使ったイエローライスや、ジャマイカの豆ご飯「ライスアンドビーンズ」風のものなどいくつかのパターンを用意している。様々な場所で営業するキッチンカーでの経験を生かして、いずれはこれと思う場所に固定店舗を開きたいと杉崎さんは考えている。

一方、昨年より営業を始めた「Tsumugu Amami(つぐむ あまみ)」は、南国奄美の料理を出すキッチンカーだ。奄美出身の喜入陽明さんが夫婦で店を営む。

看板料理を奄美料理としたのは、「自分にしかできない」という自負に加え、多くの食が集まる東京でも故郷の料理を知らない人が多いと感じたからだ。「奄美には、『鶏飯(けいはん)』という代表的な料理があるのですが、最近人気のシンガポール料理の『海南鶏飯(ハイナンジーファン)』は知っていても奄美の鶏飯は知らなかったりする。移動販売のキッチンカーならば、広く人に故郷の料理を伝えることができる」と喜入さんは言う。

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