NIKKEIプラス1

6位 上立神岩
(兵庫県南あわじ市) 320ポイント
天を刺す30メートルの矛先

淡路島の南に浮かぶ沼島(ぬしま)のシンボルで、「立神さん」と呼ばれる。矛先で天を刺すような約30メートルの姿が神々しい。日本神話に登場するイザナギ、イザナミの二神による日本の国造りの舞台「オノコロ島」が沼島だといわれる。まさに「キング・オブ・ザ奇岩」(石原さん)。夕日の絶景ポイントで「海と調和する美しい観光地でもある」(小塩さん)。

岩の真ん中にハート型のへこみがあり、「恋愛成就のパワースポットにもなっている」(水津さん)。

(1)淡路島本島から沼島汽船で約10分。上立神岩(かみたてがみいわ)のビューポイントまで約1.5キロメートル(2)https://www.awajishima-kanko.jp/manual/detail.php?bid=48&lid=&at=

7位 親子岩
(北海道様似町) 310ポイント
仲良く並ぶ背景に悲話

全国に数ある夫婦岩、親子岩のなかでも「大小3つの岩が海に並んだ親子岩は珍しい」(古宇田さん)。戦いに敗れた集落の長と妻子が海に逃れ岩になったという、北海道や日本列島北部の先住民族であるアイヌ民族の悲話が残されている。この地域に多く伝わる「アイヌ伝承と美しい夕日が奇岩の魅力を高めている」(須田さん)。

海岸線や近接するアポイ岳は世界ジオパークに認定され、豊富な高山植物が観察できることでも名高い。様似町商工観光課長の原田卓見さんは「海と山の観光がセットで楽しめる」と話す。

(1)ジェイ・アール北海道バス西町バス停すぐ(2)https://www.apoi-geopark.jp/

8位 立岩
(京都府京丹後市) 290ポイント
河口を封じるその威容

マグマが冷却する際にできる垂直に伸びた柱状節理が美しい周囲1キロメートル、高さ20メートルの巨岩。「山陰海岸の間人(たいざ)の浜にそそり立つ、海と巨岩が調和する姿は絶景」(小塩さん)。川の河口を封じるように立つ威容は、ほかでは見られない。「遠目から見る全景はオーストラリアの巨岩エアーズロック(ウルル)のよう」(森さん)

この岩に鬼を封じ込めたという伝説があり、「映画やドラマのロケ地として古くから使われている」(京丹後市観光協会の中江学さん)。近くには日本三景の天橋立もある。合わせて巡りたい。

(1)京都丹後鉄道網野駅から丹海バスで約30分(2)http://tango.hippy.jp/tourism/tateiwa.htm

9位 小豆岩
(秋田県男鹿市) 280ポイント
他の星に来たような感覚

1位ちちさまと同様、その正体は卵形のノジュール。鵜ノ崎海岸の約1.5キロメートルにかけ、沖に続く浅瀬200メートルにわたり、球体の岩塊が点在する。全体で小豆岩というが、個別に名前がついた岩も20個ほどある。1位に挙げた専門家もいた。「地球以外の惑星に来たかのような宇宙感覚が味わえる」(石原さん)

岩の中から「クジラの骨の化石が発見されており、波に削られる前にぜひ見ておきたい」(小林さん)。3位ゴジラ岩から4~5キロメートルと近く、ゴジラの卵と想像力を膨らませると楽しい。

(1)JR男鹿駅からバスで約20分(2)http://www.oga-ogata-geo.jp/about/

10位 妙見浦
(熊本県天草市) 270ポイント
コバルトブルーを歩く象

妙見浦(みょうけんうら)の象徴「妙見洞門」は展望場所の十三仏公園から眺めると、海の中をゾウが歩いているように見えることから「ゾウ岩」とも呼ばれる。「コバルトブルーの天草灘にある周辺の岩礁もいい引き立て役になっている」(中尾さん)。天草を代表する風光明媚(めいび)な景観だ。

海の透明度が高く、一帯の天草の海域は国内で初めて指定された海中公園で、スキューバダイビングでも人気が高い。周辺には「天草キリシタン館など観光スポットも数多くあり、魅力にあふれている」(曽我さん)。

(1)九州産交バス妙見ケ浦バス停から徒歩約6分(2)https://www.t-island.jp/p/spot/detail/69

上位の奇岩のほとんどは、大地の躍動を体感できる「ジオパーク」内にある。特に2、4、7、8位の4つの岩はユネスコ世界ジオパークに認定された場所にあり、世界的にも貴重な大地の造形だ。

奇岩はフォトジェニックな観光スポットとしても人気がある。例えば、長崎県壱岐島の高さ45メートルの巨大な「猿岩」を背景にすると、猿とキスをしているような写真を撮ることができる。地球の歴史や地域の物語を知ることができ、大人も子供もひき付ける力がある。

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化。岩の名前(所在地)。(1)交通手段(2)情報サイト。写真は1、2、3、9位尾城徹雄、7、8位大久保潤、猿岩は中尾隆之氏撮影。4位西伊豆町観光協会、5位つくば観光コンベンション協会、6位淡路島観光協会、10位天草宝島観光協会、提供

調査の方法 全国の奇岩の中から専門家の協力で魅力的な24カ所をリストアップ。形がユニークで一度見てみたいという視点に観光地としての魅力も加味し、10人の選者にそれぞれ1~10位まで順位付けを依頼。編集部で集計した。

今週の専門家 ▽石原智(いこーよ奇岩アナリスト)▽古宇田亮一(日本情報地質学会会長)▽小塩稲之(日本観光文化協会会長)▽小林政能(境界協会主宰)▽水津陽子(地域活性化コンサルタント)▽須田郡司(巨石ハンター・写真家)▽曽我知子(阪急交通社広報部)▽中尾隆之(旅行作家)▽中田文雄(地質情報整備活用機構会長)▽森順子(地理女net代表)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2019年3月16日付]

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