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キャリアの原点

デザイナー4千人束ねる 起業家が問うものづくりの形 TRINUS(トリナス) 佐藤真矢代表(上)

2019/3/19

佐藤真矢 TRINUS(トリナス)代表

森永製菓、サッポロホールディングス、リコーなど、名だたるメーカーが新商品の企画やデザインを依頼するベンチャー企業がある。2014年設立のTRINUS(トリナス、東京・渋谷)。社員はわずか10人ほどだが、デザイナーやエンジニアら4000人のネットワークを持つのが強みだ。「眠っている技術と、埋もれているクリエーターを結び付けてワクワクを生み出したい」。佐藤真矢代表が創業した原点の一つは、コンサルタント時代に障害者施設のものづくり支援に携わった経験にあった。

■森永「ベイク」の技術生かすアイデア150以上

トリナスは大手から中小まで様々なメーカーが持つ有望な技術をサイト上で紹介。その技術を活用する商品の企画やデザインを一般のデザイナーなどから幅広く募集する。ユニークなのは、募集したアイデアを商品化するまでのプロセスだ。

アイデアは、その提案者と技術を持つメーカーやトリナスの社員だけが見られる専用サイトに掲載。SNS(交流サイト)のように、自由に意見を投稿し合う。メーカーの開発部門だけでなく、工場の従業員や営業担当などの消費者目線に近い意見も集まり、アイデアが徐々にブラッシュアップされていく。

その後、社員らの投票によってアイデアを一定数に絞り込んだ上で、メーカーの開発やマーケティング部門、トリナスの佐藤代表らでつくるチームが審査。本当にニーズがあるか、人を驚かせる斬新さはあるか、技術やコスト面で実現可能か、といった点を評価し、商品化するアイデアを決定する。その商品の売り上げの一定比率がトリナスと、アイデアが採用されたデザイナーの取り分となる。

例えば、森永製菓はチョコレート菓子「ベイク」で使われるベイクド技術を活用した新製品の企画をトリナスに依頼。外はカリッ、中はとろーりという食感を生かすアイデアが2カ月間で150以上も集まった。審査の結果、デザインスタジオを経営する大友敏弘氏が提案した、世界のスープを味わえるスナック菓子のアイデアが採用され、「WORLD SOUP SNACK」という商品名で限定販売された。今後、売れ行きなどを分析し、本格的に売り出すかどうか判断するという。

「世の中にはこんなにたくさんのデザイナーがいる。そして、デザインの力があれば、こんな面白い商品がつくれる」――。佐藤氏が初めて実感したのは13年、コンサルティング大手のアクセンチュアで働いていたときのことだ。

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