東京五輪後の景気どうなる 波乱要因は米中貿易摩擦

――東京五輪後の景気の落ち込みを心配する声があります。

「建設と観光需要は五輪後も旺盛で、特需がはく落して景気が後退する可能性は低いでしょう。東京圏では、五輪後に完成予定の大型の工事案件が目白押しです。東京に集中していた工事が、五輪後に地方にも広がる展開も期待できます。また、過去の開催国でも、大会前後に訪問客が極端に変動した国はあまりありません。所得水準の上昇もあり、世界の旅行者数は20年以降も増える見込みです。日本の観光競争力は高まっており、引き続き観光需要を取り込めるでしょう」

――五輪以外の要因で、景気が落ち込む可能性はありますか。

「その可能性はあります。米国の景気減速、米中の貿易摩擦の激化、半導体の需要が増減する『シリコンサイクル』の調整局面入りなどが懸念材料です。日本では19年10月の消費増税も予定されており、要注意です」

――五輪後の落ち込みを回避する方法はありますか。

「東京五輪を機に、どれだけレガシー(将来の成長基盤)を構築できるか、にかかっています。テレワーク、シェアエコノミー、キャッシュレス化といった新しい取り組みを普及させ、地方観光の振興、日本製品の輸出の増加、スポーツ産業の活性化といった形で新市場を創出できれば、『五輪ロス』を回避できるのではないでしょうか」

(編集委員 前田裕之)

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