東京五輪後の景気どうなる 波乱要因は米中貿易摩擦

みずほ総研の宮嶋氏は、米国の景気減速、米中の貿易摩擦、半導体ブームの終了など五輪以外の要素で景気が落ち込む可能性を指摘します。一方、嶋中氏は「足元で景気が後退局面に入っている可能性は低い。五輪後に景気が落ち込んでも21年秋には再び拡張局面に入る」と強調しますが、それでも1年程度は景気後退が続くことになります。様々な波乱要因を伴いながら「五輪後」は近づいています。

宮嶋貴之・みずほ総合研究所主任エコノミスト「特需はく落による景気後退の可能性低い」

宮嶋貴之・みずほ総合研究所主任エコノミスト

2020年の東京五輪後、日本の景気はどうなるのでしょうか。五輪後に景気が後退する可能性は小さいと主張する、みずほ総合研究所の宮嶋貴之主任エコノミストに五輪前後の景気見通しを聞きました。

――みずほ総研は東京五輪の経済効果は約30兆円との試算を公表しています。これまでの経済の動きをどうみていますか。

「観光需要は当初の試算より上振れしています。半面、人手不足の影響で建設工事は総じて遅れがちです。両者を合計すると20年までの累計で30兆円という数字はおそらく変わりませんが、中身が若干、変化しています。建設需要は旺盛ですが、建設業界では五輪前までの竣工を目指す案件の受注を控えていると言われています。東京都の工事が優先され、その他の地域の工事が後回しになっている事情もあるようです」

――過去の五輪開催国では、五輪後に景気が落ち込んだ例もあります。

「1992年のスペイン・バルセロナ五輪以降の開催7カ国の実質成長率をみると、五輪の翌年に成長率が減速した国はスペイン、オーストラリア、ギリシャ、中国の4カ国です。ただ、ギリシャ以外は世界の経済危機が重なったために景気が落ち込んだので、五輪終了が主な原因ではありません。12年のロンドン大会までの6大会のうち、スペイン、オーストラリア、ギリシャでは開催後に建設投資が減りましたが、米国、中国、英国では五輪後も建設投資が増え続けました」

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