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これは妖怪? 誰もがビックリ「こうのす川幅うどん」 探訪!ご当地ブランド(2)

2019/3/16

御成橋のたもとにある「川幅日本一」の標柱

地図を頼りに駅の西側へ回って15分ほど歩くと、歩道橋に「川幅日本一」の看板も現れ、目的の御成橋が見えてきた。おお! 確かに標柱が立っている。しかし、御成橋を歩き始めたものの、どこまでも河川敷に畑や空き地が広がるばかり。約10分歩いた橋の中央部付近で、幅30メートルほどの荒川を発見した。

ははあ、そういうことだったか。「ホントに行きます?」という警察官の反応の真意に気が付いた。川幅とは堤防と堤防との距離を指し、よほど増水しない限りはごく普通の川なのだ。アマゾン川に申し訳ない気分だなと思った途端、笑いが込み上げてきた。

「日本一の川幅」を往復した後、駅の東側へ移動。ひな人形店が多い中山道をしばらく歩くと、川幅うどん発祥の店「めん工房・久良一(くらいち)」にたどり着いた。

この日は風が強く寒い日。カウンター席に座り、メニューを広げると「川幅みそ煮込みうどん」の写真と文字が、誘惑するように飛び込んでくる。迷うことなく即決で注文。十数分後、店主の小峰久尚さんが「熱いですから気を付けて」と配膳してくれた。湯気の下にはハマグリ、かまぼこ、油揚げ、玉子、ネギの入ったみそ煮込みスープ。幅6~7センチの手作り川幅うどんとの相性がいい。ハマグリのだしは奥深く、五臓六腑(ろっぷ)に染みわたる。

小峰さんが店を創業したのは1996年。店名は祖母(久良)と祖父(誠一)の名に由来する。2人とも県北部の出身で、一帯は小麦粉の名産地。「昔は、うどんくらい打てないと嫁に行けないと言われた」土地柄で、祖父がうどんを打つ後ろ姿を思い出すという。

久良一の「川幅みそ煮込みうどん」

人口約12万人の鴻巣市には県内唯一の免許センターがある。だが、免許更新者が大勢来るのに、飲食店にも立ち寄らず帰ってしまう。また、いつまでも「花と人形のまち」が売り物では、観光客へのインパクトも弱い。「小麦粉、うどんが有名だし、面白おかしく『食』を売り出せないか」。小峰さんは店内で市の職員らと相談していた。

そこへ舞い込んだのが「川幅日本一」認定の知らせだ。市の商工観光課(現・観光戦略課)にいた羽鳥敦さんらが「川幅グルメ」をやろうと各方面に働きかける一方、小峰さんは「川幅うどん」の試作を開始。試行錯誤の末、09年7月にメニュー化した。転機は10年の「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」で、既に川幅うどんを始めていた老舗うどん店「長木屋」と組んで2店でエントリーし、準優勝したこと。15年には悲願の優勝を果たした。

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