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乗物でGO

風景に溶け込む特急 西武「ラビュー」に乗ってみた 南田裕介の変わる「鉄」を見にいく

2019/3/15

南田さんが絶賛する「進化した渡り板」。「こんなにオシャレな渡り板はじめて!」だそう

■南田さんが驚いた、前代未聞の「渡り板」

南田 (隣の車両に移動する途中で)な、なにこれ! 渡り板(車両と車両をつなぐ部分にある板状のもの)が丸くてカワイイ! カメラマンさん、これ撮ってもらえますか。これはすごい。

平山 何に興奮しているんですか?

南田 丸い渡り板なんて見たことないよ。渡り板は四角いもので、あっても滑り止めのゴムが施されている程度。これ以上進化しようがないと思っていたら……。

黄色い配色を基調としたエントランス。壁も窓枠も曲面で、床はダークグレーの人造大理石が敷き詰められていて安心感がある。車両を区切る自動ドアは全面ガラスで見通しがいい

平山 これに、「渡り板」という名前があることを今知りました(笑)。丸い形状といい、ドットがほどこされたデザインといい、丸みを帯びたラビュー全体のデザインと統一されているわけですね。

桑原 デザイン監修した妹島さんがこだわったのは、「連続性」です。車両一両一両が途切れない一体感。「天井もスピーカーも、エアコンの吹き出し口も、全て連続性で作ることで広がりを演出したい」と常々おっしゃっていました。

平山 連続性ですか。それが丸みであり、車両を区切る自動ドアも全面ガラスなのですね。

南田 ドアがガラスであることで、ドア前のシートに座っても閉塞感がありませんね。

「南田さんには、いろいろな番組でお世話になっています」と広報部・木村有加さん。木村さんは10000系ニューレッドアロー・クラシックの製作に携わった経験も。西武特急新旧ネタで会話が弾む2人

■乗務員さんの働きやすさが、利用者の快適に

西武鉄道広報部の木村有加さん(以下、木村) 南田さん、こんにちは!

南田 木村さん、どうもどうも。広報の木村さんは、2008年まで運転士さんをされていたんですよ。

木村 10000系はかつて運転していました。運転士に戻って、ラビューも乗りたいです(笑)。

南田 乗務員さんたちへの配慮を感じる運転席ですよね。ゆったりしていて。

シックでゆとりある運転空間。「広い。ここに住みたい!」と南田さん。運転席シートも座席シートと同様に、座り心地よく設計されている

木村 特急は運転時間も長く、運転中もいろんなところに気を配って集中しています。運転席シートの座り心地など、乗務員の環境も大事。そんなスタッフの快適さも、余裕ある心持ちでお客様をお連れするために大切にしています。

南田 乗務員さんの働きやすさが、最終的にはお客様への豊かなサービスにつながるということですよね! 働く人の働きやすさこそ、お客様第一優先につながるという視点がすばらしいです。まさに、未来に向かう鉄道ですね。

◇  ◇  ◇

「工夫がいっぱいで驚きの連続だった!」と、取材後も大興奮する南田さん。気づいただけでもたくさんあったラビューの快適さへのこだわり。その中でも、南田さんがうなったサービスに、「シート予約の際のシートマップに、きちんと柱が書かれてあること」もありました。

ネットで座席を予約する際に、鉄道好きにとって柱の位置は重要な情報です。柱と窓の位置で、眺望も着席時の閉塞感も変わるためです。ただ現状は、鉄道に詳しい南田さんでも「各社や車両によっても違うから、(柱の位置は)乗ってみないと分からない」そう。それが西武線の特急の場合はチケット購入時のシートマップに表示されるのは、とても細やかな配慮です。

「西武鉄道の覚悟を感じた」という視点も。18年度から19年度末にかけて、西武池袋線・西武秩父線のニューレッドアローすべての車両をラビューに更新します。通常は予算の関係などで1年に1編成ずつなど少しずつ置き換えていくところを、約1年で一気に変えるのは「予算面での覚悟」といえます。

現行の特急列車・ニューレッドアローが新造されたのは25年前。「今年度から来年度にかけて、10000系と001系の新旧交代劇が目の前で見られる。四半世紀に一度の出来事ですよ!」。そう熱くなる南田さんでした。

「ご乗車ありがとうございます」「次の停車駅は所沢~♪」など車内アナウンスの声は、フリーアナウンサーの久野知美さん(写真左)。南田さんが本業(ホリプロマネジャー)として担当している。ラビューと南田さんはそんな縁もある
南田裕介(みなみだ・ゆうすけ)
芸能事務所に勤務するマネージャー。1974年生まれ、奈良県出身。静岡大学卒業後、ホリプロ入社。現場マネージャーとして働くうちに「鉄オタ」だと知れ渡り、「タモリ倶楽部」へ出演。鉄道BIG4としてお笑いタレントと肩を並べ「アメトーーク!」に出演するなど、ホリプロのマネージャーとしてタレントをプロデュースする傍ら、鉄道愛あふれる専門家として活躍している。著書に「ホリプロ南田の鉄道たずねて三千里」(主婦と生活社)など。

平山ゆりの(ひらやま・ゆりの)
ライター。1981年生まれ、京都府出身。エンタメ、教育の分野で主に活動。息子の影響で鉄道に魅せられ、休日は都内近郊で「乗り鉄」を楽しむ。「国鉄型」を愛する南田に対し、新型車両や特急型車両が好き。

(写真 渡辺慎一郎=スタジオキャスパー)

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