怒りっぽいのか熱があるのか 間違えやすいtemperデイビッド・セイン「間違えやすい英語」(59)temper/temperature

言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、文脈によって正反対の意味を持ちうる、奥深い単語についてお話しします。

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勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。

ヒロシとナンシーが勤める会社では、今日、同僚の一人が休みを取って早退した模様です。そのわけをナンシーからたずねられたヒロシは、「彼は熱があるから」と答えたつもりでした。ところが、ナンシーの反応はちょっと意外なもの。もしかすると、身勝手な理由で休んだと勘違いしてしまったのかも知れません。ヒロシの使ったある言葉が思わぬ誤解を招いたようなのですが、はたしてそれは何だったのでしょうか?

それはこんな会話でした。

Hiroshi: Jim had to take the day off today.
Nancy: Oh really? Why's that?
Hiroshi: He has a temper.
Nancy: He took the day off because he's angry?
Hiroshi: Huh?

日本語に直すと、こう言ったことになります。

ヒロシ:ジムは今日、休みを取ったんだよ。
ナンシー:えっ、本当? いったいどうして?
ヒロシ:彼は怒りっぽいんだ。
ナンシー:腹を立てて休んじゃったの?
ヒロシ:ん?

上の対話でヒロシは、「体温が高い」という意味で「彼には熱がある」と言いたかったのですが、ここで使われたtemperという名詞は、「かっとなる性格」のニュアンスを持っています。それはそれで、たしかに「熱い」のかも知れませんが、体温とはまったく異なる「気質」の話なのです。

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