「今の会社がなくなっても食っていけるようにしようと日々考えている」(18年卒、男性・メーカー)、「ある程度社会人としての能力が身についたら、個人の裁量が大きい会社へ行きたい」(17年卒、女性・メーカー)といった声も目立つ。職場に不満があるというよりは、そもそも終身雇用を前提として考えていない若手が少なくない。

「合わない会社・仕事でも3年は続けるべきだ」か、「合わないと思ったらすぐ辞めるべきだ」のどちらかを選ぶ質問では、後者が54.8%とやや多かった。IT大手の人事部長は「面談で、『御社を辞めた人はどこに行くのか』と聞かれたことがある」と明かす。

「石の上にも三年という概念はない。転職市場も盛り上がっているから、実際どこでもいけてしまう」(百貨店の採用担当者)と企業側は嘆く。

早稲田大学ビジネススクール准教授で経営学者の入山章栄氏は「最近の経済学研究では、会社がつぶれるリスクは高まっていると言われており、優秀な学生ほど1社にしがみつく発想ではなく、ステップアップを前提にキャリアを考える傾向がある」と分析する。「やりたいことが見つからないと悩む若い人も多いが、人生100年時代においては、『30歳で成人』ぐらいに考えて、20代のうちは様々な経験を積みながら、自分探しをする助走期間だと捉えた方がよい」とも指摘する。

6割が「社会人になってよかった」

「社会人になってよかった」か、「学生のままでいたかった」を選ぶ質問では、前者が63.2%と優勢だった。また、「与えられた以上の仕事をしていきたい」と「自分の仕事はできるだけ少ない方がよい」の2者択一では、前者が多く65.3%だった。総じて、仕事や働くことに対しては前向きに捉えているようだ。

「業務上学んだ知識をもとに社会を見てみると、なるほどこうなっていたんだと再発見して楽しい」(18年卒、女性・メーカー)、「時々、他の部署に行ってできることを探す。中には自分を必要としてくれる人がいて、それが励みになる」(16年卒、男性、官公庁・団体)、「エクセルなら資料を完成させていくゲームだという風に、自分が好きなものに近づけて考えるようにしている」(17年卒、男性・メーカー)など、自分なりに仕事を楽しむ工夫を見いだしている人が多い。

<調査の概要>
日本経済新聞社とディスコが1月16~27日にインターネットで実施した。大学生時代にディスコが運営する就活情報サイト「キャリタス就活」に登録し、就職活動モニターをしていた入社1~3年目が対象で1148人から回答を得た。内訳は男性629人、女性519人、文系出身714人、理系434人。新卒で入社した企業の規模を従業員数でみると、299人以下が13.9%、300~999人が19.2%、1000~4999人が26.4%、5000人以上が40.5%だった。

「キャリアをつくる」の記事一覧はこちら