新年度の通勤に おすすめの電動アシスト自転車6選
今回は、この春から通勤に使うのにぴったりな電動アシスト自転車、そして「e-BIKE」と呼ばれるスポーツモデルを合わせて6台紹介しよう。
より快適に長距離走行が可能になった
約10年前にアシスト力の「新基準」が導入され、パワフルになった電動アシスト自転車。その後、さらにバッテリーやドライブユニットの高性能化、アシスト制御のプログラムがより改良されたことで、スムーズに長い距離を走れるようになった。最新のモデルはバッテリーの充電時間も短縮されており、忙しい毎日の通勤にぴったりの乗り物といえる。
近年は、より走行性能の高い「e-BIKE」と呼ばれるスポーツタイプの電動アシスト自転車も増えている。ただし、こちらはスタンドや泥よけといった実用アクセサリーが標準装備されていないモデルも多いので、使用するシチュエーションをよく考えて選びたいところだ。
電動アシスト自転車のメリットは、ただ坂道が楽に上れるというだけではない。平たん路でも常に一定の負荷とペースで走ることができるため、長距離走行をしても疲れにくいというメリットがある。電動アシスト自転車は、都市部だけでなく、通勤距離の長い郊外や地方でも、有効な移動手段として機能する。
スムーズな5段変速で快適に走行できる
近年e-BIKEのほうに力を入れているようにみえるヤマハだが、シティーサイクルタイプの「PAS(パス)」もしっかり進化を遂げている。「PAS CITY-S5」は、男性の通勤・通学を主眼に置いて開発されたモデル。
シティーサイクルのなかでは径の大きい27インチの車輪を採用することで巡航性能を高めているほか、メンテナンスの頻度が低くてすむ内装式の5段変速を搭載。変速段数に応じて適切なアシストを行う制御システム「S.P.E.C.5」によってスムーズな走りを実現する。標準装備されるスチール製のバスケットは、幅440×奥行き290×深さ238mmと大きく、横型のビジネスバッグがしっかり収まるのもうれしい。
価格:11万9880円(税込み)
ドライブトレイン:シマノ ネクサス 1×5速(内装式)
タイヤサイズ:27×1 1/2
車両重量:25.5kg
満充電でのアシスト走行距離:強モード 約41km/標準モード 約49km/オートエコモードプラス 約69km
問い合わせ:ヤマハ発動機
https://www.yamaha-motor.co.jp/
「走りながら自動充電」で長距離通学をサポート
ブリヂストンサイクルを代表する商品のひとつが、チェーンのかわりにベルトドライブを採用した「アルベルト」だ。さびる心配がなく油汚れなどもつかないベルトドライブは街乗りにぴったりで、通学モデルとして高い人気を誇る。
そして通学距離が長い学生を視野に入れ発売されたのが、電動アシストバージョンのアルベルトeだ。最新モデルは後輪が人力、前輪はモーターで駆動する「デュアルドライブ」を搭載。いわゆる回生ブレーキシステムを採用しており、惰性で走っているときや左ブレーキレバー(ブレーキは前後連動式)を握ったときには、前輪モーターが発電機となってバッテリーが充電される。
価格:13万9800円(27インチモデル、税別)
ドライブトレイン:シマノ ネクサス 1×5速(内装式)
タイヤサイズ:26×1-3/8(S型)、27×1-3/8(L型、S型)
車両重量:26.7kg(27インチモデル)
満充電でのアシスト走行距離:パワーモード 約41km/オートモード 約57km/エコモード:約77km(27インチモデル)
問い合わせ:ブリヂストンサイクル
https://www.bscycle.co.jp/
汎用性とリーズナブルな価格が魅力のe-BIKE
電動アシスト自転車の中でもスポーツ性能を高めたものは「e-BIKE」と呼ばれ、マウンテンバイク(MTB)やロードバイクなどさまざまなタイプが発売され始めている。パナソニックの「XU1」も、そんなe-BIKEのひとつ。
バッテリーはフレームと一体となるようデザインされたセミインテグレーテッドタイプ。700×50Cとクロスバイクにしてはかなり太いタイヤを採用したことで、段差に強くクッション性も高い。標準装備されている油圧ディスクブレーキはコントロールしやすく雨天でもしっかりと利くので、毎日乗る通勤用途にはぴったり。e-BIKEのライバル車に比べ、価格がリーズナブルなのも特徴だ。
価格:22万5000円(税別)
ドライブトレイン:シマノ アリビオ 1×9速
タイヤサイズ:700×50C
車両重量:24.5kg
満充電でのアシスト走行距離:HIGHモード 約44km/AUTOモード 約57km/ECOモード 約82km
問い合わせ:パナソニックサイクルテック
http://cycle.panasonic.jp/
手軽にスポーツ性能を味わえるエントリーモデル
パナソニックの「ベロスター」はスポーツモデルとうたった電動アシスト自転車だが、先に紹介したXU1のようにe-BIKE専用のものではなく、一般的な電動アシスト自転車と同種のアシストユニットを搭載している。
バッテリー容量が小さく(8Ah)アシスト走行距離はやや短めだが、その分バッテリーは小型軽量だ。それでも、ロングモードならば50キロの走行が可能なので、通勤用途で不便はないだろう。何よりも、リア7段変速に加えフェンダー(泥よけ)やフロントキャリアといった実用装備をもちながら、税別で10万円を切る価格は大きな魅力だ。
価格:9万5000円(税別)
ドライブトレイン:シマノ ターニー 1×7速
タイヤサイズ:700×38C
車両重量:22.4kg
満充電でのアシスト走行距離:パワーモード 約28km/オートマチックモード 約36km/ロングモード 約50km
問い合わせ:パナソニックサイクルテック
http://cycle.panasonic.jp/
週末のツーリングにも対応できる高機能e-BIKE
1993年に世界で初めて電動アシスト自転車を発売したのが、ヤマハ発動機だ。2015年からはスポーツタイプのe-BIKE「YPJ」シリーズを発表、他のメーカーにもアシストユニットを供給するなど、積極的に展開している。そしてYPJシリーズのなかでも、優れた汎用性をもつ1台がこの「YPJ-TC」だ。
クロスバイクタイプのフレームに、欧州で高い評価を受けている自社開発のアシストユニットを搭載し、なめらかな走りを実現。キャリアやスタンド、泥よけなども標準装備される。何より、スタンダードモードでも約112キロと、長距離のアシスト走行を可能にしているのは見逃せない。通勤はもちろん、週末のロングツーリングだってこなせる。
価格:32万4000円(税込み)
ドライブトレイン:シマノ ソラ 2×9速
タイヤサイズ:700×35C
車両重量:22.6kg(M、L)
満充電でのアシスト走行距離:ハイモード 約91km/スタンダードモード 約112km/エコモード 約153km/プラスエコモード 約237km
問い合わせ:ヤマハ発動機
https://www.yamaha-motor.co.jp/
欧州の雰囲気が漂うエレガントな1台
BESV (ベスビー)は台湾の電動アシスト自転車専門ブランド。CF1 LENAはフレーム内蔵式のフロントライトやリアブレーキランプを採用するなど、日本メーカーによるシティーサイクルとはまったく異なる印象を受ける。それもそのはず、実は同社がヨーロッパ市場に投入したモデルを、日本人の体格に合わせてアレンジしたモデルだ。
フレームとバッテリーが一体になるようにデザインされた車体は重たくなりがちなのだが、CF 1 LENAの重量は21.5キロと、シティーサイクルタイプとしては軽量だ。それでいながら、市販のチャイルドシートを装着可能なリアキャリアも備える。
モーターで前輪を駆動するフロントドライブとなっており、3種類のアシストモードと、その3種類を走行状況に応じて自動で切り替える「スマートモード」も用意する。
価格:15万5556円(税別)
ドライブトレイン:シマノ ネクサス 1×3速(内装式)
タイヤサイズ:24×2
車両重量:21.5kg
満充電でのアシスト走行距離:MODE-3 50km/MODE-2 65km/MODE-1 80km
問い合わせ:ベスビージャパン
http://besv.jp/
(ライター 佐藤旅宇)
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