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宇宙、安全保障面で脚光 米中ロに続き日本も乗り出す

2019/2/26

月面の裏側への着陸に成功した中国の無人探査機「嫦娥4号」の打ち上げ=AP

宇宙を巡る安全保障上の関心が急速に高まっています。米国は1月発表した「ミサイル防衛の見直し(MDR)」で、ロシアや中国の極超音速ミサイルなどへの宇宙空間を活用した防衛強化を打ち出しました。米国は中国が近年急ピッチで宇宙開発を進めていることも警戒しています。日本も昨年12月に決定した防衛計画の大綱(防衛大綱)と中期防衛力整備計画(中期防)でサイバー空間と並んで宇宙での防衛強化をうたいました。

宇宙開発ではここ数年、小型衛星や宇宙旅行ビジネスなど宇宙ベンチャー企業の活動が活発で、従来の政府主導に代わる民間主導の宇宙開発を意味する「ニュースペース」の時代が到来したといわれています。ただ同時に宇宙空間を安全保障面で重視する流れも強まっています。

この理由について防衛省防衛研究所の福島康仁研究員は「現代の軍事活動が宇宙の利用無しでは成立しなくなったほか、宇宙を巡る大国の対立の構図が変化した」と考えています。

全地球測位システム(GPS)衛星で誘導するミサイルや部隊の展開、ドローン(無人偵察機)による情報収集など、今や軍事行動に宇宙利用は欠かせません。また、冷戦期までは衛星による核ミサイル監視など軍備管理面で宇宙の役割が大きく「こうした秩序をあえて壊すような行動は米ソ共に自制していた」(福島氏)といいます。

ここに割り込む形で新たな宇宙大国として台頭したのが中国です。ソ連、米国に続き2003年に有人宇宙飛行に成功。独自の宇宙ステーション建設を計画し、1月には初めて月の裏側に探査機を着陸させました。昨年12月に中国版GPS「北斗」が全世界で運用を開始。過去には人工衛星をミサイルで破壊する実験にも成功しています。こうした動きを米国が警戒していることは間違いありません。

また、ロシアや中国が開発中の音速の5倍以上の速度で飛行する極超音速ミサイルは、現行のミサイル防衛システムでは迎撃が困難とみられています。米国は早期の探知・追跡能力を高めるため宇宙への警戒センサー網の構築を検討するなど、新たな対応を迫られています。

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