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ビール低迷、原因は「とりあえず生」 キリンHD社長 キリンホールディングス社長 磯崎功典氏(上)

2019/3/2

キリンホールディングス社長 磯崎功典氏

業界全体の出荷量が14年連続で前年を下回る状況が続くビール類市場。この中で、新ジャンルビール類「本麒麟」のヒットにより、2018年は一人勝ちとなったのがキリンビールだ。しかし、同社を中核とするキリンホールディングス(HD)の磯崎功典(いそざき・よしのり)社長は「これからは、ビール類と食事の組み合わせなどを考えた売り方をしていかないと、市場の回復は期待できない」と、かぶとの緒を締める。

――磯崎社長のご実家は神奈川県小田原市のミカン農家ですね。それで農業とか「食」に関心があってキリンビールに入られたのですか。

それはないですね(笑)。ただ、ミカン畑には思い入れがあります。5、6歳の頃からやっていましたから、もう60年になります。最近は、近所の農家の方が「どうしたらこんなにおいしいミカンができるのだ」と聞きに来られます。

――専業農家でもないのにですか。

ここ20年くらいは一生懸命勉強しましたからね。やはり、土と剪定(せんてい)です。ミカンの木は上に伸びる性質があるので、剪定をして枝を横に広げ、まんべんなく日が当たるようにします。どの枝を落とすかは勘と経験ですね。古くなった枝を落とそうとしたら、ベテランから「それは残せ」と言われたり、若い枝なので期待していたら、全くダメだったりと、会社の人事につながるところがあります。木と対話をしながら育てていく。

――ミカン畑の手入れをしながら、会社の人事に思いをはせているわけですね。

キリンでは今、クラフトビールに力を入れていまして、横浜工場にミニブルワリーを造ったほか、東京・代官山に「スプリングバレーブルワリー東京」という、料理と一緒にクラフトビールを楽しめる店を出しました。ここのビールも横浜工場から運ぶのでは面白くないと、店内に醸造プラントを置きまして、醸造の専門家が毎日造っています。

この中に「みかんエール」というのがありまして、これに使うミカンは、うちの畑のものを無償で提供しています。彼らを昨年12月の収穫期にミカン畑に招いたところ、「磯崎さん、今年はこれにユズを入れてみたい」と言うので、「ユズの木もたくさんあるから、好きなだけもいでいったらいいよ」と、持って帰らせました。こんなことをしているから、私のミカン作りのモチベーションも上がるわけです(笑)。

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