杉野遥亮、俳優として大躍進 初めて湧いた強い気持ち

日経エンタテインメント!

そうした葛藤をよそに『キセキ』後も怒涛(どとう)の露出を重ね、まさに“リーサル・ウェポン=最終兵器”の呼び名にふさわしい活躍を見せている。この求められ続ける現状についてはどう考えているのか。

(写真:藤本和史)

「自分では全く分からないんです…。でも今までご一緒させていただいた方ともう一度お仕事させていただく、という機会はすごく多くて。それって、もしかしたら僕の中に何かしらの魅力を感じていただけたからなのかなって。『特にない』と言われるのが怖いから今まで一度もちゃんと聞いてみたことはないんですけど(笑)。

あとは年々、プロ意識は持つようになってきていると思っています。役者として2年目を迎えるときにマネジャーさんから『今年はプロ意識を持とう』と言われて、その言葉にやっと今近づいてきているというか。ただただ必死だった最初の年と2年目の頃に比べて、3年目の18年は『もっと追求できることがあるはず』という気持ちが出てきました。

正直、人生でここまで熱中できたことってあったかな? というくらい。今までは何においても平均点以上のことはできてきて、バスケでも『勝ちたい。強くなりたい』という思いはありましたけど、そこに向かって具体的に何かを自主的にすることはなかった。こんなにも自分から意欲的に何でもやりたいと思うのは初めてです」

今一番の僕の武器

『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』 渡辺あゆのマンガが原作。14年に剛力彩芽・山崎賢人で実写映画化され「壁ドン」現象を巻き起こした作品の第2弾。出演は上白石萌音・杉野遥亮・横浜流星。(3月21日公開/東映配給)(C)「2019 L・DK」製作委員会

モデルオーディションでグランプリを勝ち取るビジュアルと「詐欺だ」と言われてしまうほどのギャップ、先輩からすぐに愛称で呼ばれる親しみやすさ。そして、彼自身の貪欲さ。19年は既に1月8日スタートのTBSドラマ『新しい王様』に出演。少女マンガ原作映画の本命『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』(3月21日公開[※])、初の時代劇に挑んだ映画『居眠り磐音』(5月17日公開)が控えており、まだまだ勢いは止まりそうにない。

「『新人』と言われるのは3年までで、ここから先は本当に役者、1人のプロとしてやっていかなくちゃいけない時期。楽しむことが大前提ですが、作品に向き合う上で『やり残したな』って思いを残したくはないです。そういう当たり前のことを当たり前にやりたいですね。あとは…勝ちたい。自分にもそうだし、先輩たちにも。これまでずっと憧れの先輩、いちファンとして見てきた先輩たちにまずは追いつきたいです。そして先輩たちに向けられてきた目を、自分にも向けさせたい。そのために自分が何をしなきゃいけないのか? ってことを真剣に考えて取り組んでいきたいですし、その言葉に追いつくためにも今ここで言っている、という部分もあります。

本当にこんな強い気持ちが湧いたの、初めてですね。自分でもすごいなって思います(笑)。こう言えるようになったことが、今一番の僕の武器なのかもしれません」

※『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』と「2019 L・DK」の・はハートマーク

(ライター 松木智恵)

[日経エンタテインメント! 2019年2月号の記事を再構成]

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