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写真はイメージ=PIXTA

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今どきの若手社員を、自分で考え、創意工夫し、動けるように育て上げるにはどうすればよいか。リクルートのグループ会社でトップクラスの営業成績をあげてきた的場正人氏の著書「自分で動く若手営業の育てかた」から紹介します。今回は先輩の「失敗」が見えないために起きるすれ違いの事例です。

◇   ◇   ◇

入社2年目の秋葉くんも、東さんと同様、訪問件数が足りないのが、営業マネジャーの原田さんの悩みの種でした。秋葉くんの場合は、既存のお客様のところは毎日のように訪問するのですが、新規訪問がほとんどありません。「目標を達成するには、既存のお客様だけでは足りないでしょう。新規も回らないと」と原田さんはハッパをかけました。

「ほかの人たちはどんどん新規を取ってる……」

秋葉くんも、その場では「はい」と言うものの、相変わらず新規訪問はほとんどゼロ。原田さんは秋葉くんとの同行営業の帰り、カフェで休憩しながら「どうして新規を回らないの?」と聞いてみました。

「確かに、既存のお客様だけでは数字が足りないので、新規も取らないといけないのはわかっているんですが……。既存のお客様なら、キーパーソンも前任の先輩から引き継ぎを受けているし、どのあたりの商品を持っていけば興味を持ってもらえそうかわかるから効率もいいんですよ」

原田さんはこう返します。「新規も回らないといけないことはわかってるわけね。もちろん新規であれば、断られる可能性だってあるし、組織構成やキーパーソンも、自分で開拓していかないといけない。でも新規で受注が取れたら金額は大きいし、すごく勉強になるよ。もしうまくいかなくても、そこからたくさん学ぶことができるんだから、恐れずに挑戦しなさいよ」

それでも秋葉くんは視線を落としたまま続けます。「それはそうなんですが、断られるのがわかっていて新規を回るのはどうも……。ダメだったらすごくヘコんじゃってなかなか立ち直れなくって……。チームのほかの人たちはどんどん新規を取ってるので、僕だけ失注しちゃうと恥ずかしいですし……」と口ごもります。

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