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役員の影のように同行、経営体感 女性幹部候補を育成

2019/2/19

損害保険ジャパン日本興亜のシャドウイングの一環で、西沢社長(左)に同行する小坂さん

女性の経営幹部を育成する手法として「シャドウイング」を採用する企業が出てきている。社長や役員に影のように同行して経営最前線の職務を学ぶ。部局の壁を越える広い視野、10年先を見据える発想を習得することが幹部を目指す動機づけになっている。各社の取り組みを追った。

■通常なら数年かかる経験を1年で体感

社長の問いに役員が間髪を入れずに答える――。損害保険ジャパン日本興亜の社長オフィス特命部長の小坂佳世子さん(47)は経営会議に同席した瞬間、緊張感のある空気に背筋が伸びる思いがした。

小坂さんは社長に付くシャドウイングを体験中。これは、幹部候補が経営層の業務遂行の現場に立ち会い、普段は見ることができない意思決定などに触れて視野を広げるもの。幹部を目指すモチベーション向上にもつなげる。

同社は2017年度からシャドウイングを通じて経営プロセスを学ぶ社長オフィスを新設した。部長クラスの男女1人ずつが配属される。午前は経営会議に同席。午後は社長と各部の打ち合わせに加わり、その後、社長とディスカッションする。時に課題が与えられ役員と議論し解決策を報告する。

ダイバーシティ(人材の多様性)を経営戦略の一つに掲げる西沢敬二社長は、社長同行を取り入れた狙いについて「通常なら数年かかる経験を1年で体感してもらいたい」と語る。小坂さんは、18年4月に特命部長として社長オフィスに配属された際、期待とともに「自分に務まるのか」という不安もあった。だが、社長の仕事を間近で学ぶことで意識が変わったという。

経営トップの職務の重大さを実感したのは災害発生時。発生直後に緊急の速報が入り、速やかに社長が現地に向かう。対策本部や顧客から直接状況を聞くと素早く意思決定し指示が出された。小坂さんは「保険会社の存在意義が問われる災害対応を間近で見ることができ、非常に貴重な経験だった」と振り返る。

社長オフィスを経験する以前は「日々の業務を追うばかりで1、2年先しか見えていなかった」。会議やディスカッションで社長の発言に触れるなかで、10年先の将来を見据えて判断していることを実感。小坂さんは、産業構造や人々の価値観、生活スタイルが変わっていくなかで、「どう貢献できるのか、会社はどのように進化していくべきか」という広い視点を重視するようになった。

経営幹部の同行には、組織の壁を越えた視点を持つ効果もある。KDDIは11年から役員補佐の職位を設け幹部同行を実施。社長と役員5人に対し、部長や課長クラスの役員補佐が2~3人ずつつく。

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