「ビジョンとは夢のようなものだ。かなえるために行動しないと、いつか消えてしまう」「私たちの人生の価値は、自分のために何をするかでは決まらない。私たちの人生の価値は、他者のために何をするかで決まる」……こんな言葉だ。最後に著者自身によるそれぞれの言葉の少し詳しい解説がつく。150ページ足らず、ちょっと横長のA5変形判という特殊判型の本で、手近に置いておいて何度も見返すと、その時々にシネック氏の言葉が胸に響いてくる。そんな読み方を誘う本だ。

どう行動すべきかステップ示す

3人の共著になっているもう一冊の本は、シネック氏の主著『WHYから始めよ!』(日本経済新聞出版社)のフォローアップガイドという位置づけだ。WHYが人を動かす原動力になることを伝えた主著に対して、本書はどう行動すべきかのステップを示し、「WHYの見つけ方」を伝授する。

全体は7章構成。1、2章でWHYのコンセプトや見つけ方の基本を紹介した後、3章で個人が自分自身のWHYを見つける段階的プロセス、4、5章はチームや組織がWHYを見つけるプロセス、6章はWHYを見つけるためにどう行動すればいいのか、7章は自分のWHYをどのように他者と共有するかについて書かれている。

「年度替わりを前に、この季節は例年リーダー論の売れ行きがいい」と、ビジネス書を担当する本店マネジャーの川原敏治さんは話す。同じ著者の本がほぼ同時に出て、ともにベスト20圏内で売れているという。

大前研一氏の新刊も上位に

それでは、先週のベスト5を見ておこう。

(1)FACTFULNESSH・ロスリングほか著(日経BP社)
(2)お客様のことが見えなくなったら読む本松野恵介著(すばる舎)
(3)世界で成功する英語即聴力小熊弥生著(秀和システム)
(4)50代からの「稼ぐ力」大前研一著(小学館)
(5)天才を殺す凡人北野唯我著(日本経済新聞出版社)

(八重洲ブックセンター本店、2019年2月3~9日)

1位は冒頭でも触れたように『FACTFULNESS』。2位は、マーケティングコンサルタントによる顧客ニーズのつかみ方を伝授する本、3位は同時通訳者による英語学習本だ。4位には大前研一氏が50代のビジネスパーソンに向けて、「稼ぐ力」を身につける方法を説いた本が入った。大前氏の本は同店の定番の売れ筋だ。5位は、大きな反響のあったビジネスブログの記事を筆者自ら小説化した本。才能の生かし方や殺し方、職場の人間関係についての洞察が、ベンチャー企業を舞台にしたストーリーに書き込まれている。

(水柿武志)