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トンカツ好きなら塩で食べて 衣サクサク肉の甘み増す魅惑のソルトワールド(26)

塩で食べるトンカツの味わいとは?

そもそも、なぜ塩でトンカツを食べるようになったのだろう。いくつかの要因が考えられるが、最大のものは豚肉そのものの進化だと思われる。

鹿児島県の黒豚を筆頭に、平牧三元豚、沖縄県のアグー豚など「ブランド豚」の台頭である。それぞれの銘柄が品種や飼育方法、飼育期間、飼料などにこだわり抜いて研究や改良を重ねた結果、豚肉のおいしさが格段に向上したのだろう。脂肪は甘みを感じさせ、肉はうまみを含むものが多い。一方、野菜と果物と酢と糖が原材料であるソースには、甘さと酸味と塩味が含まれている。揚げ物の油っこさをさっぱりとさせたり、脂肪の甘みを強調したりと、トンカツとの相性は非常に良い。

だが、ソースそのものの味が濃く、「ソース味」が勝りがちだ。また、液状のソースをかけると、揚げたてのサクサク食感が損なわれてしまう気もする。そこで塩の出番となる。

塩は素材のうまみや甘み、香りなどを引き立てるのが得意だ。さらに、衣のサクサク感を損なうことがない。こだわり抜いた上質な豚肉のうまみを感じてほしい、揚げたてのサクサク感を味わってほしいと願う飲食店側にとって、塩をソースの横に置くことは、きっと自然なことだったに違いない、と私は推測している。

では実際に、どのような塩が向いているのか。使用する豚肉やパン粉、揚げ方によっても異なるが、今回はトンカツ専門店で実際に提供されている塩をご紹介しよう。

●赤穂の天塩(兵庫県)

オーストラリア産の完全天日塩ににがりを加えたのち焼いて仕上げた塩。適度なしょっぱさとほのかな苦味に、ほどよいうまみを感じる。トンカツをさっぱりとさせてくれる

●ヒマラヤピンク岩塩(パキスタン)

ヒマラヤ山脈から採掘されるピンク色の岩塩。鉄分を含み、放牧飼育でよく運動した豚肉との相性が良い。するどいしょっぱさが脂の甘みを引き立てる

●粟国の塩釜炊き(沖縄県)

竹に海水をかけ流して濃縮する伝統的な製法で生産される海水塩。力強いしょっぱさと苦味、酸味、うまみが特徴。トンカツをさっぱりさせつつうまみを濃厚にしてくれる

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